江戸時代には、東海道の第一宿場として名を馳せた品川宿。交通の要衝としての特性を活かした形で、品川宿を起点にした新しい東京観光を提案。イベントや展示会で情報発信をし、品川宿ブランドとして新たな魅力をPRする。
取り組み内容
東海道品川宿は、東海道の一番目の宿場町。趣を残した情緒ある街並みや、宿場町の文化と歴史資源がいまも残る。これまで22年間にわたり、地域が東海道の歴史性を生かした観光街づくりを実施してきたが、「東京」に訪れる観光客が「品川宿」に訪れる、という観光客の流れは、まだ確立されていない。そこで本事業では、連携する相乗効果によって、品川宿の認知度を向上し、誘客を狙う開発に取り組んだ。
まず、一般消費者に対して1万人規模のインターネット調査を行った結果、宿場町として歴史的情緒ある街並みへの関心が高く、街歩きから一歩踏み込んだ体験が求められていることがわかった。そこで街歩き愛好者や、仕事帰りの会社員、休日の家族など、対象者別に7つのコースを立案。最終的に5つまで絞り込んでモニターツアーを実施。消費者が求めるツアーの価格帯などを調査した。
また、情報発信のツールとして、ホームページ「品川宿を歩こう」、観光ガイドブックなどを作製。知られざる品川の宿場町としての魅力を伝え、新たな「品川宿ブランド」の構築に向けて、広報事業にも取り組んだ。
ニーズに合わせた5つのモニターツアー
調査結果からニーズを分析し、「仕事帰りに粋な夜! 品川宿でお座敷遊び」、「親子で海苔つけ体験! 品川宿で“海”を味わう」など5つのモニターツアーを実施。品川観光ルートの新たな可能性の検証を行った。
ターゲットを拡大し、観光プランを充実させる
モニターツアーでは、ツアー内容の問題点や価格帯の相場感覚などが把握できた。今後は本事業で明らかになった課題を踏まえ、3 ヵ年計画でプロジェクトを拡大する予定。構築した観光プランに伝統工芸や宿場町文化などの体験メニューなどを加え、ツアーの継続的な実施により、周辺の消費者から認知度を高めていく。まずは日帰り観光客ニーズの定着化を図り、将来的には全国へ拡大。観光地としての新たな品川宿のブランド構築を目指す。
活用した地域資源
品川の宿場町、ウォーターフロント、品川海苔、品川芸者、しながわ蕪、蒔絵など
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