このサイトは2020年3月31日まで稼働していた、feel NIPPONの活動報告サイトのアーカイブです。
2019年度までの活動報告をご覧いただけます(現在、更新はしておりません)。

1日目1月8日(木)

売れるモノづくりの考え方
株式会社47CLUB代表取締役社長 栗田 健一郎氏

セミナーではまず、株式会社47CLUB代表取締役社長の栗田健一郎氏から、「売れるモノづくりの考え方」について、具体例を交えた講演が行われた。

栗田氏は、「売れるモノづくりと良いモノづくりは違う。一生懸命良いモノを作り続けているだけでは、モノは売れない。売れるモノづくりに必要な4つのP(プロダクト・プライス・プレイス・プロモーション)の戦略があってはじめて、売れるかどうか決まる」と説明した。

また、ヒット商品の生まれる確率は、大手食品メーカーでもたったの3%であること。そして、大手企業は数多くの人が感じるニーズに応えた商品を開発していることに言及。
そのうえで、「中小企業が大手に対抗しようとしてもかなわないので、考えるべきは一部の人にはまるニーズに応えることだ」と指摘する。「一番信頼できるのは、自分が消費者の立場になった時の気持ちである。自分が欲しいと思うモノを作るのがヒットへの近道だと考える。」と結んだ。

百貨店バイヤーから見た地域産品の可能性~内田勝規×薬師寺雅文 トークセッション~

「“絶対売る”という気持ちで、どれだけ続けられるかが決め手」内田勝規氏

続いて、東武百貨店の元バイヤーの株式会社オフィス内田代表取締役会長の内田勝規氏と、阪急阪神百貨店販売促進部長の薬師寺雅文氏によるトークセッションが行われた。司会から投げかけられるテーマに対して、具体的な事例を交えながら白熱したディスカッションが展開された。

内田勝規氏

まず、それぞれが感じる地域産品の現状と課題が語られた。内田氏は、「様々な地域からサンプルが届くが、似ている商品が多く、個性がない。売る気がないのではと感じるものが、8割程度を占めている。」と話した。そして薬師寺氏は、「“私の商品が一番”と思い込んでいて、それ以上伸びないモノづくりをしている人が多い。

また、“誰に売るのか”を考えず、とりあえず作っている人も多い。今の時代、“誰でもいいから売りたい”というのでは通用しない」と語った。
その課題を解決するために必要なことについてお二人の意見が議論された。

内田氏は「ビジョンの無い商品は売れない。売れない理由を知った上で、どうやって売れるようにするか努力をすることが大切。地域らしさを背負ったモノづくりをすると売れやすいのではないか。 

また、“絶対売る”という気持ちで、どれだけ続けられるかが決め手。やる気がある人は、まわりからも応援されるもの。さらに、商品づくりをしていくのであれば、トレンドを常に捉えるクセをつけるべき。」と述べた。

続いて薬師寺氏は「まず最初に、“どこで売りたいか”を定めるべき。スーパーや百貨店、卸などそれぞれ顧客が違うためだ。次に生活者を想像し、“誰”に売っていくのかを、考えた商品づくりが必要になる。競合調査は必要だが、それだけではなく変わったコトやモノづくりをしている会社もチェックしてほしい。そこにはいろいろなヒントがあるからだ。今は、モノであふれている時代なので、「モノ」ではなく「コト」をどうやって作っていくかが大切。作り手の想いに溢れたモノは特に百貨店や物産展でよく売れる。」と話す。

「売れる商品の方程式はない。積極的に外に売って出ることが大切」薬師寺雅文氏

薬師寺雅文氏

また、地域産品の今後について内田氏は「売るための取り組みをする方としない方では差が開き、二極化が進むと予想できる。人々がその地域の何に憧れを持つか、知らないといけない。また、海外展開も進むはずだが、目的意識がないと潰れてしまう。2020年のオリンピック・パラリンピックまでが勝負になるだろう。」と述べた。

それに続き薬師寺氏は「都会の人は地方のものに憧れている。だから、これから販売が伸びる対象は都市部である。都会のものは洗練されているので、その中で地方色をどのように入れていくかが肝。都市部の人を知り、彼らの心をくすぐっていけるかが重要なポイントになるだろう。」と語った。

最後に、内田氏は「いいモノづくりをしていくためには、消費者の声に徹底的に耳を傾けることが大切。その声に応えていくことが、ヒット商品につながると考える。店頭に並べるということは用意ではない。そのためにも催事を積極的に活用してほしい。」と述べた。

これに対して薬師寺氏は、「百貨店に並べられる商品づくりを進めることが必要ではないか。百貨店に採用されたものはスーパーにも採用されることはあっても逆はないからだ。売れる商品の方程式はない。今はバイヤーもサプライヤーに寄り添い、一緒になって商品開発する時代。そういうバイヤーをしっかりと見つけられるよう、積極的に外に売って出ることが大切。」と話した。

個別面談

その後、ヒット商品サポート事業(食)で設置されたアドバイザーチームとプロジェクト担当者との個別面談が行われ、今後予定されている、FOODEX JAPAN 2015等のイベントに向けた事前協議が行われた。
各テーブルでは、パッケージのリニューアルや商品の改良について、具体的な提案や打ち合わせが行われた。
参加事業者の、真剣にメモを取る姿や自身の意見を専門家とぶつけ合う姿が印象的であり、両者の商品にかける熱い思いが見て取れるディスカッションであった。
さらに、イベントまでの短期的課題だけでなく、将来を見据えた長期的な視点での議論もなされていた様子。
今後の展示会や商談会での商品力・商談力の向上、ひいては商談成約率に期待を持てる、有意義な面談となった。

2日目1月9日(金)

C活用で販路拡大!!
~EC市場の基礎とECサービスの特徴~
~売上の方程式と自社のコンセプトメイキング~

2日目は、株式会社47CLUB EC事業本部の松崎繁雄氏により、ECに関する講義が行われた。

前半は主に、「EC市場の基礎とECサービスの特徴」をテーマに、ECの歴史や現状、未来予測について、ECとリアルな商取引、EC とASP(アプリケーションサービスプロバイダ)の比較など、具体的な事例を踏まえながらECサービスについて説明があった。

そして後半には、「売上の方程式と自社のコンセプト・メイキング」について解説。 売上を決める「売上の方程式(売上=来客数×転換率×購入単価)」をどのように捉えれば、売上アップが期待できるか説明がなされた。ネットショップの場合、こうした数字をリアルの店舗より取得しやすいので、PDCAサイクルを実行しやすく、このPDCAを徹底させることこそ、ネットショップで売上を伸ばすセオリーだと話した。

その後、参加者自身が自社のネットショップをどのように運営していくかについて考えるワークショップが行われた。さらに、競合分析の方法についての説明もあり、今後のネットショップ運営を行う上で大変実用的な講義となった。

サイト診断

すでにECサイトを持っている事業者には、47CLUBのコンサルタントが実際のサイトを見ながら、良い点や改善点等について説明やアドバイスが行われた。
すぐに実行できるような具体的なアドバイスが多く、売上増加の効果が期待できる内容であった。
また、自社のサイトだけでなく、他社サイトについてのアドバイスもあり、今後、競合サイトの分析を進めるうえでも実践的なものとなった。