「少年よ大志を抱け」で有名なウィリアム・スミス・クラーク博士の像。農業をはじめとする最新の技術を北海道に残し、現在の豊かな食の地の基礎を築いた。 |
北海道の朝は、贅沢だ。澄み切った空気が心身を覚醒させ、見上げれば一面の青空がどこまでも広がる。原初そのままの自然を、全身で感じることができる。この自然の恵みはあらゆる“食”にも与えられる。例えば農産物直売所を覗いてみると、早朝採れたばかりの色鮮やかな野菜が並ぶ。清涼な水、爽やかな風、寒暖の差をつける陽光。これらを存分に受けて育つ北海道の農作物は、どれもが引き締まっていて、みずみずしい。 札幌の羊ヶ丘展望台。クラーク博士の銅像と美しい札幌の街並みを前にして、開拓史について思いを馳せる人も多いことだろう。かつて原野が延々と広がっていたこの酷寒の地を、新鮮な農作物を生み出す豊穣の地に変えるまでどれだけの苦労があったことか。開拓精神とは、大志を抱いて苦難に立ち向かい、無から有を創り出すことなのかもしれない。 その開拓精神を今もっとも体現しているのが「北海道米」だ。稲作に向かないとされた土地で試行錯誤を重ね近年さまざまな品種を開発、道内外で人気を高めている。平成21年度、札幌商工会議所はそんな北海道米の魅力をさらに全国に発信すべく「ライス愛すプロジェクト」を実施。道産米粉を活用した新商品を開発し、新たな味の開拓を行った。味に用途に、さまざまな可能性を秘める北海道米。その足跡と今を追った。 色とりどりの新鮮な北海道産野菜。直売所では朝に入荷して夕方までには売り切れてしまうほどの人気。
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続きを読む…「北海道米、人気の秘密」とは?