このプロジェクトは、塩尻・岡谷・下諏訪の長野県内3商工会議所が連携してスタートした事業である。もともと3商工会議所の議員交流の機会として、何かテーマを決めて一緒に取り組もうと言うことになり、地域資源として焦点を当てたのが「初期中山道」だ。
この地域には、江戸五街道のひとつ「中山道」が通り、なかでも10数年程しか使われなかったという「初期中山道」がある。初期中山道は、下諏訪から東堀(岡谷)、小野宿(塩尻南部)を通り桜沢に至る全長約26kmの道で、もともと木曽の木材を運ぶルートだった。ところが時の勘定奉行を務めた大久保長安が亡くなると、政治的理由から没後1年で使われなくなった。
そのため、街道沿いの石碑や古民家などが当時のまま点在しており、豊かな江戸の風情を楽しむことができる。また、塩尻はワイン・鳥の山賊焼き、奈良井宿は五平餅、岡谷と下諏訪はうなぎや川魚料理・馬肉等、そして信州の美味しい蕎麦を楽しむことができる。
現在は主にアクティブ・シニアがウォーキングで楽しんでいるが、若い方にもウォーキングやサイクリング等で是非楽しんで欲しい。距離は26kmだが、峠を2つ超えるため高低差があり、2日間に渡ってゆっくり江戸の街道を楽しんでもらう観光ルートとなっている。
- ★中山道として十数年しか使われなかった初期中山道
- ★自然豊かな古道ウォーキング
- ★古い町並みの宿場や一里塚、石仏を巡る
中山道には塩尻峠を通らない初期中山道があったことを知っていましたか?
中山道は江戸幕府が定めた五街道のひとつとして重要な街道でした。定められた当初は、下諏訪より岡谷市街地を通り、三沢地区から小野峠、小野宿を抜けて牛首峠を越えるルートで、時の勘定奉行大久保長安が木曽の材木を運搬するために開発したと言われていますが、同氏の不正が発覚したのち、1614年に現在の塩尻峠を越えるルートに変更された歴史を持っています。
今年はルート変更400周年を迎えました。現在の初期中山道は、当時の面影を残した石碑や街道両側に残る貴重な一里塚があり、訪れると当時の様子を感じ取ることができます。