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技のヒット甲子園@日本百貨店 開催レポート 技のヒット甲子園@日本百貨店 開催レポート

話題の複合型商業施設コレド室町テラスで「技のヒット甲子園@日本百貨店」を開催

日本商工会議所とトレンド情報誌「日経トレンディ」ならびに「日経クロストレンド」は、第7回目となるコラボイベント「技のヒット甲子園@日本百貨店」を2020年1月24日(金)~2月2日(月)の10日間にわたり開催。
東京・日本橋の複合型商業施設コレド室町テラス内「日本百貨店 にほんばし總本店」(株式会社日本百貨店)の特設コーナーにて、feel NIPPON事業をきっかけに生まれた10事業者による地方発のヒット商品候補を展示販売した。

コレド室町テラス外観と会場内
2019年9月にグランドオープンしたコレド室町テラスはいま最も旬な複合型商業施設(写真左)
一階の大通りに面した「日本百貨店 にほんばし總本店」は評判の人気店

東京・日本橋にあるコレド室町テラスは、昨年9月にグランドオープンした話題の複合型商業施設。
こだわりの食・モノ・コトが楽しめる日本橋の新たな発信基地として注目されており、都内でもいま最も旬なトレンディスポットの一つとして高い集客力を誇っている。
日本人はもちろんのことインバウンド客も多く、面々と受け継がれてきた日本の伝統的技術やそれを活かした新たな商品をお披露目し、評価してもらうにはぴったりの舞台といえる。
その中でも1階の大通りに面した「日本百貨店 にほんばし總本店」は、雑貨から食品まで厳選した豊富な品揃えにより、施設内でも評判の人気店。
このたびの「技のヒット甲子園@日本百貨店」は、同店の特設コーナーでの開催となった。

展示ブース1
展示ブース2
「日本百貨店 にほんばし總本店」内の特設コーナーに展示された10事業者によるヒット商品候補の数々

展示販売された商品は、feel NIPPONを契機に7地域、10事業者が開発した逸品ばかり。
アワビから取った螺鈿をグラスの底に敷き、漆を塗り重ねた酒器「螺鈿ガラス」(富山県高岡市・天野漆器)。
七宝焼きの中でも銅や銀などの素地に下絵を描き、細いテープ状の金属線を立てて輪郭を作る有線七宝の技法を用いた「有線七宝のブローチ」(愛知県津島市・太田七宝)などの、日本の伝統的技術と色彩を楽しみつつ、新しい可能性を具現化した商品。
あるいは、土鍋や急須で有名な萬古焼の窯元が手がけた茶器「ひとしずく茶器セット」(三重県四日市市・藤總製陶所)は、若い女性にも気に入られそうなカラーバリエーションのほか、一人用という現代人のライフスタイルにもマッチした商品など、選りすぐりの逸品が揃っていた。

色彩豊かな伝統と現代が織りなす商品
日本の伝統的な技術や色彩を楽しめるだけではなく、ブラッシュアップを重ねて現代に即したコンセプトをマッチング

商品展示の特設コーナーは、大通りからも見える視認性の高いスペース。
店頭のポスターや展示スペースを案内するパネルが目を惹いてか、特設コーナーにはひっきりなしに来店客が訪れては商品を手に取っていた。
デザインの新鮮さや斬新さ、造形の美しさや機能性、一見しただけでは「なんだろう」と思うような奇抜さなど、来店客も興味津々の様子だった。
そのとき、来店客が興味深く読んでいたのが、ハガキサイズのプライスカード。
キャッチフレーズや商品名、事業者、価格のほか、簡潔な商品コンセプトが記載されているため、商品の特徴や歴史、生い立ちを知る手がかりにもなり、来店客の興味と関心をなおさらに強く惹きつけるきっかけになっていた。
カードの裏側には英語と中国語訳も併記されており、インバウンド客に向けての商品アピールも万全だった。

商品コンセプトを記載したプライスカード
インバウンド客も多いこともあり、商品コンセプトを記載したプライスカードの裏面には、英語と中国語訳でアピール

商品ならびにパッケージ等のデザイン、カラー、キャッチコピー、さらには機能性や使い勝手に関する消費者の声は、今後のさらなるブラッシュアップにつながる貴重な情報である。
客数の多い店舗での実践的BtoCの売り場から、作り手側が気づかなかった新たな可能性と価値が発見されるかもしれない。

「技のヒット甲子園@日本百貨店」でもその予兆はある。
一例が、現代では非常に入手が困難となっているドイツ「ストール社」製のメリヤス機を使ってゆっくりと編み上げた「リネンシルク3色スヌード」(群馬県桐生市・大橋メリヤス)の使い方について。
スヌードは首に巻く布であるが、お化粧の際のヘアバンドにも使える利便性とファッション性を備えていることを同店のスタッフが発見。
来店客に対しての提案はもちろんのこと、そこで得られた消費者の反応や感想をフィードバックしている。
こうした貴重な情報は、feel NIPPONから生まれたヒット商品候補にとって、今後のさらなるブラッシュアップへとつながり、全国展開に向けての大きな弾みとなる。

アバンドにも応用できる使い勝手の良いスヌード
首に巻く以外にもヘアバンドにも応用できるスヌードの使い方を売り場で発見

「技のヒット甲子園@日本百貨店」の開催に際して、催事を担当する日本百貨店マーケティング部の安齋礼恵トレーナーは、「伝統やブランド、有名無名にこだわらない、これまでになかった商品を展示販売することができた。お客様の反響が楽しみ」とし、そのうえで、「商品を通して、お客様に作り手の人柄や思いを伝えていけるようにしたい」としている。
また、「作り手に寄り添うショップでありたい」(安齋トレーナー)という方針から、接客時にヒアリングシートを用いて商品に対する消費者側の意見や感想をリサーチし、作り手にフィードバックしている。
というのも、日本百貨店は、「作り手・使い手・売り手」が良好な関係を築くことのできる場を目指し、そのための仕組みづくりに取り組んでいる企業。
そのため、将来的な全国展開を目指す地方発のヒット商品候補にとって、「日本百貨店 にほんばし總本店」での展示販売は、消費者から直接的に反響を得ることのできる絶好のテストマーケティングの場となった。