概要・活動内容
地域の伝統産業である「九谷焼」に関する施設や人材などの資源を洗い出し、データベース化するとともに、掘り起こした資源を活用し、「学び」としての視点も加えて観光ルートを開発、全国発信します。
九谷焼をテーマにSIT推進
最近の旅は、従来の団体型から少人数の個人型へとシフトするなかで、特に個人の趣味や興味を満たす旅「SIT」(special interest tour)に注目が集まっています。今回の「行ってみたくなる町?九谷焼のふるさと」創生事業は、単に名所旧跡を巡るだけの観光ではなく、「量より質」をテーマに名実ともワンランク上の上質の旅を目指しています。
豪華客船「飛鳥II」で九谷焼講座とオプショナルツアー
日本一周クルーズのため、神戸港から瀬戸内海、日本海を経て金沢港に向かう「飛鳥?」の船内で2回にわたり「九谷焼講座」を開催しました。石川県立九谷焼美術館の副館長(石川県観光スペシャルガイド)を講師に古九谷と加賀百万石前田藩との関わりなど、九谷焼の歴史 を中心とした内容で2回(各60分)の講演には、延べ200人の聴衆が集まったほか、船内客室のテレビを通じ生中継され、終了後も繰り返し再放送が行われました。これに合わせ、船内に設けられた寄港地案内コーナ-で乗客に対し「行ってみたくなる町?九谷焼のふるさと」をアピール。
講演した副館長がガイド役で同行する本物志向、上質のオプショナルツアーを1人25,000円の料金で募り、9月30日のツアーには15人が参加しました。また、ツアーに盛り込んだ絵付け体験では一流の九谷焼作家が指導に当たり、九谷焼の器で食事のできる山代温泉の老舗旅館で昼食をとるなど本物志向の企画が受けて、参加者は当事業が提案する上質のツアー内容に満足した様子でした。
東京銀座のデパートなどで九谷焼講座
九谷焼の一流作家を首都圏に派遣し、その技を目の当たりにし、自ら体験することによって、奥深い九谷の里・南加賀の魅力を感じ取ってもらい、この地を訪れる人を増やす一助とすることを目的としました。
会場は東京・銀座のデパート「プランタン銀座」と読売・日本テレビ文化スクールの川口校(埼玉県)の2カ所で、10月の毎週末に開催しました。当地から派遣する九谷焼作家については地元の関係団体に協力を要請。宮内庁御用達作家の山本長左さんに人選、準備、手配、運営などディレクター的立場で全面協力していただきました。受講生を募集したところ、読売・日本テレビ文化スクール川口のロクロコースに5人、絵付けコースに14人、プランタン銀座の絵付けコースに14人の計33人が参加(ロクロと絵付けコース重複受講が3人)、受講生は2つの作品を仕上げ、すべての講座が終了した後、受講生を対象に感想などを聴くアンケート調査を行いました。
専門家を南加賀に招聘、分析レポート依頼
九谷焼をテーマに、首都圏などから多彩な分野の方を「専門家」として招くツアーを11月に2泊3日の日程で実施しました。九谷焼を中心とした南加賀の魅力に直接触れ、いわゆる「クチコミ」で情報発信してもらうとともに、今後の誘客戦略に役立てるため、観光資源としての「九谷焼」の可能性を分析、評価してもらうレポート作成を依頼しました。
参加されたのは、東京、大阪から航空会社、JR、旅行会社、出版社、銀座のデパート役員、クリエイティブ・ディレクター、陶芸教室の支配人や講師等9人で、それぞれの分野において強い情報発信力を持つ人ばかりです。南加賀一円の九谷の里をバスで巡り、その真髄に触れていただきました。提出されたレポートには忌憚のない、貴重な意見や指摘が含まれており、今後の旅行商品開発などに役立てます。
多様な媒体で情報発信
九谷焼をテーマにした「南加賀への旅」を全国発信するため、九谷焼産地の資源をデータベース化し、九谷焼マップ、九谷焼ガイドブックを作成(1月末完了予定)しました。地元での関連イベントとして「コマツ粟津工場」の工場開放デーで九谷絵付け体験、小松空港ロビーでパネル展示会などを実施しました。
また、今回の事業は地元マスコミだけでなく、全国紙の首都圏版などの媒体にも取り上げられ、「地域資源∞全国展開プロジェクト」としての役割を果たしました。また、12月19日関西圏でもコミュニティFM放送局に実行委員会スタッフが生出演し「九谷焼のふるさと」をアピールしたほか、地元の北國新聞、北陸中日新聞、読売新聞(石川版、埼玉版)に取り組みが紹介されました。さらに、「永峰好美のGINZA通信」(読売新聞東京都内版)、「プランタン銀座」ブログ、「加能人」「リベラルタイム」「シティガイド」などの情報誌などにも掲載されたほか、小松、加賀商工会議所は随時、会報で詳しく事業の取り組みを紹介しました。
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小松商工会議所
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