概要・活動内容
企業、特に製造業では、製品の製造過程においてさまざまな廃棄物が発生します。そこにデザインの視点を取り入れ、通常は捨てられるものを染料として利用することで、自然の魅力を生かした商品を生み出し、新しいライフスタイルを提案していくという「リユース×コラボレーションプロジェクト(Re-Coプロジェクト)」です。
エコデザイナー×役目を終えた原料
「美の原点=自然の保護」をコンセプトに、自然素材にこだわりぬいたエコロジーブランドを展開する長野市在住のデザイナー岡正子。自然分解するポリ乳酸繊維を、いちはやくファッションの世界に取り入れた、先駆者的存在です。その彼女のデザインが、「染料」を通じて地元の企業とコラボレートします。果物やお茶のしぼりかすなど、食品等の製造過程で生じ、通常はそのまま捨てられてしまう、いわば「役目を終えた」原料が新しい形で生まれ変わります。自然豊かな長野ではぐくまれた岡正子の感性が、おなじく長野という土地の恵みを受けた産物と結びつき、新しい価値を生み出します。
新しい循環モデルのかたち
Re-Coプロジェクトが目指すのは、単なる「再利用染料」ではありません。たとえば、ワインメーカーのぶどうの搾りかすで染まった布がワイン袋になって、お客様の手にわたります。
たとえば、醤油メーカーの大豆の搾りかすで染まったTシャツが社員のユニフォームになり、旬を過ぎ、刈り取られた植物園の花で染まったハンカチが、新郎新婦の思い出の花として結婚式で配られます。 ファッション、食品メーカー、サービス業などの業種をこえて、あるいは生産者、スタッフ、消費者という枠組みをこえて、衣・食・住のライフスタイルすべてにRe-Coの発想が広がっていくことをめざします。
3種類の染料から新製品を開発
今回は、プロジェクトの趣旨に賛同した、県内企業2社から染料の原料を提供いただきました。
ワイン・ジャムの製造やワイナリーの運営等でも知られるサンクゼール株式会社(長野県飯綱町)からはぶどうの搾りかすと、ぶどうの葉を、また、長野県蓼科町で日本初の本格的な英国式庭園を運営、衣食住の視点で英国文化の紹介を展開する「蓼科高原 バラクラ イングリッシュ ガーデン」からは、黄金アカシアの葉を提供いただいています。いずれも、自然豊かな長野の特性を活かして事業を展開する企業です。
通常これら有機物から染料を採ることは非常に困難ですが、同プロジェクトに賛同いただいた、染料研究所を有する(株)シオンテック(東京都)の技術によって採取可能となりました。染色堅牢度(色落ちの度合い)や色むらなどを確認するための試作を繰り返し、自然の魅力にあふれた衣服が完成しました。これらの作品は2月に東京都内で実施する展示会において、一般に披露される予定です。
試作品による研究
染色堅牢度、色ムラなどを確認するための試作として、アイテム7型(フリル付シャツ、総刺繍シャツ、フリルカーディガン、シャツ、絞り付ワンピース、絞り付スカート、カーディガン)。染料3種類(ぶどうの果実、ぶどうの葉、黄金アカシアの葉)で行いました。
また、展示会に出品するために製品を試作しました。
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長野商工会議所
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