仏教とともに日本に伝来し、江戸時代から国内生産が始まったとされる金銀糸は、西陣織などに使用され、作品の良し悪しを左右するほどの付加価値の高い、高貴で希少な素材だ。この金銀糸の国内生産量の約5割を占め、一大生産地として名を馳せる京都府城陽市。城陽商工会議所では、平成20年度の地域資源∞全国展開プロジェクトとして、【金銀糸における産地型ビルトイン・ブランド構築事業】を実施。
概要・活動内容
歴史的、文化的価値の高い城陽の金銀糸を、現代のニーズに沿った新しい形で発信するため、産地だからこそできる新たな金銀糸ブランド「燦彩糸」が立ち上げられた。高度なノウハウを持つ金銀糸製造業社6社を中心に、大学教授や異業種の業者など各種専門家が集結し、ブランドの構築がなされた。古くは門外不出とされてきた製造技術だが、現在では質を落とすことなく多色量産化が可能で、金色だけでも100色以上のカラーバリエーションを生産することができる。素材としての燦彩糸を、ファッションやインテリア、照明、玩具など、様々な分野とコラボレーションさせ、素材製造の街から、アートワークタウンへの発展を目指している。
その他の活動
首都圏の各種業者や消費者に燦彩糸をPRするため、2月に東京ビッグサイトで開催された「feel NIPPON」に出展。ブースには、純粋な素材としての展示以外にも、燦彩糸が上品にあしらわれたバッグや帽子などの試作品が並び、今後の商品展開を期待させる作りとなった。また、法隆寺に秘蔵されていた織物「ほら絽(ほらろ)」をモチーフに使られたテキスタイル製品「ほらろ織」も展示され、100%純正の本金糸で作られた同製品は東京では初めての公開となった。
担当者からの一言
「京都・城陽の金銀糸は、古来より伝わる技術が今に伝承された匠の技です。七色に光を変化させる煌めきに魅了されるように、色と光の融合が金銀糸の本質だと考えます。これからは、様々な業種とのコラボレーションが実現できるよう、外への発信にも力を注ぎたいですね。素材には自信がありますから、きっと近い将来、皆さんの前に華やかな“燦彩糸”がお目見えするはずです。ご期待ください」(担当:生駒智史さん)
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城陽商工会議所
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