九州山地から不知火海にわたり多様な資源に恵まれた熊本県八代市。市街地には肥後熊本藩細川氏の家老松井家の別邸「松浜軒」など歴史ある文化財が点在し、南部には600年の歴史を持つ日奈久温泉がある。八代商工会議所では、平成20年度地域資源∞全国展開プロジェクトとして、【“路地裏ツーリズム日奈久”路地裏と温泉と地域産品を結ぶ日奈久「地域ブランド」展開プロジェクト】を実施。
概要・活動内容
日奈久温泉ではガイドによるまち歩き案内が行われてきたが、1人で散策を楽しめる仕組みがなかったことや、コースの磨き上げ、地域資源の視覚化などに課題を抱えていた。そこで、ガイドや旅館、事業者が一体となり、地域の魅力を「路地裏ツーリズム」というコンセプトで再整理した。最終的に、「600年の散歩道」「木造三階建て巡り」「ふく福めぐり」の3コースが作成されたほか、ガイドや旅館を対象にした「もてなし研修」や特産の「晩白柚」を活かしたスイーツ「お告げの石」開発が行われた。また、まち歩きマップや路地裏ツーリズムパンフレット、ホームページ制作等、積極的な情報発信も取り組まれている。
その他の活動
開湯600年を迎え、温泉街中央部では、温泉センターのリニューアル工事が進んでいる。新しいセンターは、元湯をモデルにした唐破風屋根の和風造り。新たな日奈久のランドマークとして期待されている。そのほか、まちづくり協議会による「まちづくり活動」として、案内板やサイン表示の充実、八代高専によるまちづくり再生事業、丑の湯祭など地域行事の拡大開催が進められている。また、2、3月には、「城下町やつしろのお雛まつり」が開催され、市内一体となって町中を盛り上げている。
担当者からの一言
「今回のプロジェクトを通して改めて感じたのは、八代という地域が持つ深い魅力と、情報発信の大切さでした。実際に何度も路地裏を歩き、人を訪ね、歴史を紐解くと、日常生活では見過ごすような路地裏や建造物も魅力ある地域資源になります。その地域資源を形にし、上手に情報発信することの大切さ、それが地域振興、活性化につながっていくのだと思いました。多くの方に魅力ある八代を訪ねていただき、『路地裏ツーリズム日奈久』を体験していただきたいと思います」(担当:池部重信さん)
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八代商工会議所
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