洋食器の町として知られる燕市。高い技術と品質に、付加価値としてデザイン力をプラスして、食卓に新しい風を吹き込む提案をする。
取り組み内容
日本を代表する洋食器の街として発展してきた燕市は、金属加工が盛んな土地でもあり、高い金属加工技術や研磨技術等は地場産業の中心となっている。
そのような地盤となる背景がある中で、燕のさらなる発展を目指し、これまでの「燕のビアカップでビールを飲むと美味しい」という評判を「燕の洋食器で食事をすると料理が美味しい」という声に転換することを目指し、本事業では新しいシルバーウェアの開発に取り組んだ。
製品開発では、フェラーリやマセラッティのデザインを手掛けた工業デザイナーの奥山清行氏にデザインを依頼。奥山氏のデザイン力と燕の洋食器メーカーの「食事を美味しく食べるためのノウハウ」を融合させ、新たな食のスタイル提案に取り組んだ。
結果、試作品第1号となる、リンゴのかたちにごつごつとした岩肌のようなテクスチャーをもつティーポットが完成。ステンレス二重ビアマグカップ、ステンレス二重ワインカップも試作の修正段階に到達した。現在の試作品の開発と改良をさらに進めるとともに、新しいアイテムも加え、製品の発表を目指す。
「feel NIPPON」で試作品をパネル展示
奥山氏がデザインを手掛ける鎚起銅器の急須や、ステンレスワインカップなどの試作品を平成23 年2 月の「feel NIPPON 春2011」でパネル展示。来場者に対し燕がもつ高い金属加工技術力をアピールした。
海外展開を視野に入れラインアップを充実
自らのデザインと燕メーカーの「金属の特性を生かして料理を美味しくする」機能の融合に妥協を許さない奥山氏との開発は、地場産業がこれから進む道を燕の参画事業者に示唆する結果となった。今後は試作段階から一つひとつを製品として完成させることを目指す。今後の展開として、奥山氏が拠点を置くヨーロッパで行われる「メゾン・エ・オブジェ(パリで開催されるインテリア関連見本市)」に開発製品を出展することも検討している。
活用した地域資源
金属洋食器、磨き技術、プレス技術、鎚起銅器
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燕商工会議所
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