街を歩けばジャズが聴こえる

　七尾市は米カリフォルニア州モントレー市と姉妹都市関係にあり、当地域では世界的に有名な本場アメリカの「モントレージャズフェスティバル（以下MJF）」の名を冠した、ジャズの祭典「MJFイン能登」が22年にわたり開催されてきた港町。「七尾のジャズ」は、魅力的な地域資源として捉えることができるほどの歴史と実績を有している。
　本事業では、その「七尾のジャズ」を観光資源として捉え、持続発展可能な事業として展開を図り、年間を通した観光客の誘致を目指した。「ジャズの薫る港町 七尾」をコンセプトに掲げ、ジャズを活用した観光プランを創出。また、七尾市のガラス工芸技術と組み合わせ、七尾のジャズをモチーフにしたガラス製品など特産品開発にも着手した。
　七尾駅周辺の商店街などと連携したジャズイベントを実施するとともに、ジャズイベントと周辺観光地を組み合わせた旅行プランを開発。その反応を調査した。モニターツアーに対する、旅行業者など専門家の反応は良好。来場者アンケートでは満足度が約9割に達し、次回への参加意欲があると回答した人も7割を超えた。

今回のイベントでは参加者の中心は七尾市民。クリスマスライブでも市外からの参加は3割程度にとどまった。今後は、今回の事業展開で把握できた消費者ニーズや運営ノウハウを基礎に、イベント運営の精度をさらに高めながら市外からの観光客の誘致方法を検討する。ジャズコンサートに能登観光を組み込む観光プランでは、宿泊や食事面などの細部を練ることで魅力をさらに高めていき、この地域の人気観光プランとなることを目指す。