見た目はグロテスクなウツボだが、味は淡白でフグやクエにも負けない美味しさを誇る。かつて南紀の人々に食べられていたウツボ料理を現代に蘇らせ、ウツボ料理の食べられる街として知名度を上げていく。
取り組み内容
田辺市では、昔からウツボを食べる文化があり、「産後の乳の出がよくなる」との言い伝えとともに、滋養強壮の食材として地元で長く親しまれてきた。ウツボは細長くグロテスクな外見ではあるが、クセのない白身は食材として最適で、たたきや唐揚げ、すき焼き、よせ鍋など多様なウツボ料理が提供されている。
本事業では、地域資源としてウツボ料理をPRし、地域内外の消費者及び観光客誘致を目指した。飲食店のオーナーや料理長など16名によるウツボ料理研究会を組織し、さまざまな料理開発に取り組んだ。また、ウツボの皮に多く含まれるコラーゲンを効率よく吸収するには、ビタミンCを一緒に摂取するのが効果的とされることから、全国トップクラスの生産量を誇る地元の橙と組み合わせた食べ合わせの提案も行った。
新商品として、ウツボパスタや橙チューハイが完成し、店舗での取り扱いが決定。さらに、各店舗の開発メニューなどを紹介する案内マップ「南紀田辺のうつぼづくしマップ」を作製。ホームページでのPRなどで開発メニューの浸透や誘客に努めた。
マスコミの取材を活用したパブリシティ
ウツボ料理に対するマスコミ各社の関心は高く、NHKのニュース番組で2回放送された。そのほかにも、民放各社や新聞社からのウツボ料理への問い合わせが増え、開発メニューは順調に浸透している。
ウツボの安定確保を整備し取扱店を増やす
和歌山市にて開催したイベント「わかやま食と健康フェア」での試食会では、用意した100食が15分で完食となり、アンケート調査においても味の評価が高かった。今後は、ウツボ粉末を活用した土産品の開発や、橙の販売促進としてウツボのコラーゲンと橙のビタミンCをセットにしたメニューの開発を行う予定。ウツボの安定的な確保を整備し、ウツボ料理や橙商品の取扱店を増やしていき、開発品のメジャー化に取り組んでいく。
活用した地域資源
ウツボ、橙
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田辺商工会議所
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