「着地型観光」促進の戦略を構築するとともに、酒田商工会議所女性会が復活させたつるし飾り「傘福」を観光資源として着目し、着地型観光への展開やビジネス化を目指すための流通、販売促進の方法を調査研究する。
日本三大つるし飾りの一つである酒田の「傘福」
酒田から情報を発信する着地型観光を目指す
平成17年に1市3町が合併し、人口11万2,000人の酒田市。平成15年に「さかた海鮮市場」、16年に「酒田夢の倶楽」、22年に「みなと市場」がオープンするなど集客施設が拡充し、観光客数が飛躍的に増加した。また、本市でロケが行われた映画「おくりびと」による観光客増加もあったが、その効果は現在一段落している。
当所では平成22年に新会頭が就任し、重点事業に観光振興を挙げ、「将来は酒田から情報を発信する着地型観光を目指したい」と表明。また、平成20年に酒田市が策定した酒田市観光基本計画では、観光による交流人口の拡大を地域活性化の柱と位置づけている。一方、「傘福」に関しては、当所女性会が平成17年から復興に取り組んできた。九州柳川の「さげもん」・伊豆稲取の「つるし飾り」・酒田の「傘福」と三大つるし飾りとして全国的にも知れ渡り、本市の新たな観光資源として期待を集めている。今年度は着地型観光促進と、傘福事業のビジネス化の調査研究を実施した。
商品企画にかかわる人材育成に成功
着地型観光に取り組む意義の合意形成、意識醸造を図ることができた。また、着地型旅行商品の企画造成練習などの実施により、地域人材ネットワーク化の芽を育てることに成功。特に「何か地域のためにやってみよう」という前向きな考えを持ち、着地型旅行商品企画に携わる人材育成ができたことが大きな成果となった。
さらに、着地型観光を活用した傘福事業のビジネス化ビジョンが見え、観光という切り口から傘福を紹介することで、傘福をより深く知ってもらうきっかけとなることを実感できた。傘福の海外展開、地域住民への理解を図ることの重要性など議論の中で様々な意見が出てきた点は、今後の課題、取り組むべき方向性の良い検討材料となった。
独自の「酒田モデル」といえる手法の確立を
(1)傘福、庄内平野・日本海の「食」、湊町酒田の「歴史・文化」を素材にした企画商品のブラッシュアップ
(2)着地型旅行商品の実施主体確立
(3)酒田の着地型旅行商品および傘福の情報発信
今後はモニターツアーなどを通し、「販売チャネル」など「売る技術」を地域側が身につけ、独自の「酒田モデル」とも言える手法、仕組み確立の検証が必要である。
活用した地域資源
傘福、日本海と庄内平野の「食」、湊町酒田の「歴史・文化」
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