近代遺構と伝統的ものづくり産業へ光を当て観光と結び付けた「産業観光」の商品具現化と、鶴ヶ城のリニューアルに合わせた白虎隊・戊辰戦争に依存しない着地型観光を調査研究する。
モニターツアー「土津神社」
会津松平藩始祖・保科公の治世の足跡を追う
基幹産業が観光産業である会津若松市。これまで戊辰戦争や白虎隊など、主に幕末期の視点での歴史観光資源の発信・活用が多く、近時、伝統的ものづくり産業や近代化産業遺産などの地域の産業にスポットをあてた『産業観光』に傾注していた。そこで、本来の産業の成立ちや系譜について、会津の歴史的治世を多角的に行い、2011年に生誕400年となり、数々の事業を成し遂げた会津松平藩祖・保科正之公の治世足跡を調査。
現代社会にも通ずる教学、伝統的ものづくりや農業を含む産業、改暦等の歴史をひも解き、地域資源の再発掘を図り、これまで推進してきた産業観光と連携した仕組みづくりを行った。今回、改めて市内観光資源を調査発掘することで、当地ならではの歴史文化産業をベースとした、より幅広い角度からの観光魅力発信に繋げ、交流人口増による活性化を図ることを目指し、幕末に依存しない新たな歴史的遺産・地域資源発掘による魅力ある観光会津の発信に繋げるべく、事業を実施した。
帰納法的手法により新たな歴史的遺構を発掘
保科正之公が治めた時代の文献(古文書等)が焼失していることなどから、関係する書籍作家や地元専門家にセミナー・勉強会を依頼。帰納法的手法により足跡を検証し、郷土史に関係の深い地元史談会の文献を紐解くなど、本人以外の歴史上の人物・事象から調査をした。それにより、保科公以外の歴史的遺構・遺産や歴史上の人物、関連諸事象の発掘にも繋がった。
特に、2012年上映予定の映画『天地明察』の著者によるアドバイスや講演時のアンケート調査により、保科公の治世の足跡が会津の、そして他地域との連携を視野に入れた事業展開の可能性を見出すことができた。
新たなツアー旅行を企画・実施予定
今回発掘した歴史的事象を観光資源としたツアー旅行を企画。これまでにない旅行資料として「現代版の会津暦」を作成し、旅行者に携帯してもらう。また、会津地域を取り巻く会津五街道を活用した街道観光を取り入れ、広域的展開に繋げる試みを思案中である。課題としては、歴史的遺構資源の保存状態や知名度の低さ、当時の精神『家訓や施策など』など目に見えない会津文化の発信方法の構築であり、地元ボランティアガイド組織などと連携して行う。
活用した地域資源
会津松平藩祖保科正之公の治世からみる会津の歴史・産業・文化(「土津神社:保科公墓所」、「家訓十五ヶ条」、「会津藩校日新館天文台跡」「稽古堂址」などの教学について、「改暦」に関する事項 ≪会津暦≫、「漆器・陶磁器・酒造」など伝統的ものづくり産業)
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会津若松商工会議所
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