上田地域は養蚕、蚕糸業等地域特性を活かした伝統産業として上田紬が続いている。生活様式などの社会的条件が著しく変化し、和服の着用などの需要減から伝統産業が衰退の危機にあるため、産学官連携による地域資源を活用した「伝統産業活性化プロジェクト」を立ち上げる。
信州大学繊維学部教授陣と上田紬織物協同組合との連携で調査を実施
上田蚕糸を活用した新たな需要の掘り起こし
戦国時代の武将・眞田氏の城下町でもあり、古くから養蚕がさかんであった上田市。昭和50年代までは上田紬も反物から着物へと多く活用と利用されてきたが、和服等着物の着る機会が減少したことにより、上田紬の需要も減少。着物の普及に努めたものの絹製品の持つ高級感と高値のため普及拡大には限界となり、新しい商品の開発努力により生き残りを図ってきたが、経営者の高齢化も進んで企業の存続が危ぶまれている。消費構造の変化や消費者の着物離れ等による上田紬の需要激減の危機から脱するべく、上田の蚕糸を使った小物(ネクタイ、バック、名刺入れ、根付等)を中心とした新たな需要の掘り起こしと新商品開発を行いつつ、観光とのタイアップによる商品化も視野に入れた活動を行った。
またこれまでは企業ごとに個別で製品開発を行ってきたが、組合として体系化を検討しているほか、全国シルクサミット開催し、シルク製品のファッションショーやセミナーシンポジウムを通じて製品普及を行った。
上田軸ならではの新商品開発を目指して
全国にある紬と上田紬との差別化や、上田紬の独自な商品開発ができるかについて信州大学繊維学部との産学官連携で調査を行った。調査研究内容は、上田紬の歴史と歩みの上に立ち、
(1)上田紬の商品化と販路開拓の調査
(2)上田紬に欠けているものを把握するべく全国にある紬の需要等動向調査
(3)「真田ひも」の再興や上田縞及び上田紬として独自の商品化の研究
(4)着物の着る機会としてどのような場所があるかの研究
を実施した。
上田紬に関わる川上から川下の事業者が集まった中で、「長い歴史の中で、どうしてこの会議が今まで開かれなかったのか」という意見が出たほど、反響が大きかった。
蚕糸業を観光に結びつけて取り組みを推進
さらに製糸を手掛けられないかを検討していきつつ、蚕の飼育や機織りの体験など蚕糸業全体を観光に結びつけるための構想を練る予定。
今後はNPOを立ち上げるなど、市民が参加しやすい体制づくりのほか、シルクは化粧品や食品など利用が幅広くなっていることから、新たな分野も含めて再び大きな産業になるよう、取り組みを進める予定だ。
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活用した地域資源
上田紬等伝統産業、製糸工場の建造物
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上田商工会議所
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