地域の木工技術を活かしたリフォーム市場への参入・需要開拓調査

豊かな森林資源の恩恵により、日本有数の木材加工業が古くより栄えた鹿沼市。特に、木製建具は「鹿沼建具」として高い技術を誇り、「鹿沼組子」は栃木県伝統工芸品の指定も受けている。しかし、建築の洋風化や新築住宅の着工数減少の影響もあり、「鹿沼建具」への需要は減少傾向にある。
一方、リフォーム市場や中古住宅への住み替え需要等は堅調に推移している。このような社会情勢の中で鹿沼の木工技術を活かし「リフォーム市場への参入」を切り口として市場調査を実施、次の３点を目標とした。

【目標】
（１）平成24年度以降、計画立案した販売戦略を実施する
（２）ヒアリング・アンケート結果を反映し、平成24年度以降、時代ニーズや法人・消費者需要にマッチするリフォーム向け商品の開発・改善を重ねる
（３）創り手側から住む側の視点に転換した販売活動を行う

栃木県を中心に関東及び東北地方のリフォーム会社70社を抽出し、アンケートとヒアリングを実施した。リフォーム施行実績の部位別割合は、浴室・洗面・トイレが一番多く、次に全面改築・増築、キッチン、居室、リビング、屋根・外壁が多い傾向にあった。また、リフォームの施行体制は、外注施行・協力会社の施行が多いという結果になった。これにより、鹿沼の木工業者側からリフォーム関連業者へマーケットインの商品開発や提案をすることで、リフォーム業界への参入は十分可能であることが分かった。