東日本大震災での経験知をリスクマネジメントの視点を加えて多角的に活用し、 「震災復興観光」という新たな観光の可能性を探る。地域活性化の新たな手段 として地域の産業振興への寄与、消費拡大を目指す。
概要・活動内容
須賀川は江戸時代、奥州街道屈指の宿場町として栄えたことに加え、地形が高台で乾燥に適していることから、古くから「煙草」「赤瓦」「乾麺」といった地の利を活かした地場産業が栄えた地域である。しかしながら、近年は地場産業に加え、地域経済の衰退傾向に歯止めがかからず、観光客の入込数も減少傾向にあり、どのように地域活性化を進めていくかが課題となっている。さらに一昨年3月に発生した東日本大震災で、須賀川市は震度6強を観測。商業、工業、農業といった産業の多くが甚大な被害を受け、現在官民をあげて復旧・復興に取り組んでいるところである。震災は地域経済に大きな「負」の影響を与えた。しかし一方で、地震の被害が県内で最も大きい地域の一つといわれている須賀川市の震災被害の実態や復旧・復興の動きは「須賀川市ならではのもの」、即ち「地域資源」と捉えることができる。そこで、東日本大震災での経験知を、リスクマネジメントの視点から多面的に活用することを目的とした「震災復興ツーリズム」という新たな観光の可能性を検討した。
工夫した点・アピールポイント
「震災」という難しいテーマと「観光」がなかなか委員の中でも結びつかず、議論が紛糾するなど集約に苦労することもあった。
しかしながら、「復興する」「地域を元気にする」という姿勢で地域は一致しており、その志もあって、「震災」での経験知をどう伝えるべきかという大きなテーマに挑戦することができた。
また、これから起こりえる震災などの災害に対し、防災・減災の一助として今回の経験が少しでも活用され、役立つようにとの思いから、「震災」という難しいテーマに挑んだ。
活用方法を検討するにあたっては、「ニーズはあるのか」「シーズはあるのか」「ニーズとシーズをどう結び付けるか」ということに注意をした。そこで、委員の方々に具体的なイメージを持っていただくため、「震災関連視察プログラム」として既に商品販売を行っている企業様にヒアリング調査を実施したり、主に団体を中心にニーズ調査を実施した。
今後の展開・未来像
現時点では「調査研究」の段階であるが、すでに当所の活動を知った地域の方々から「ぜひ一緒に取り組みたい」という声をいただいている。一方で、当地区で「震災関連視察プログラム」を実施するにあたり、受け入れ体制や案内人の必要性といった課題が調査研究を通じて見えてきている。
この課題をいかに解決していけるか、引き続き検討していきたいと考えている。
活用した地域資源
東日本大震災により大きな被害を受けた中心商店街や地域の工場、農業関連施設といった「モノ」と、そこに住み、震災を経験し、困難を乗り越えようと奮闘している「ヒト」そのもの
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須賀川商工会議所
〒962-0844福島県須賀川市東町59-25
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