伊那地域では、増加する遊休農地対策としてアマランサスを植えて花の谷を目指す市民運動が始まり、栽培が盛んとなった。この実を地域資源として活用して地域振興を図ろうと市民や各種事業者、信州大学等と当所の連携がスタート。
概要・活動内容
長野県伊那市は豊かな自然に恵まれた田園工業地帯であり、ローメンやソースかつ丼、伊那餃子などユニークな食文化と、高遠城址公園の桜など花の地域おこしが盛んである。一方、高齢化などから農地の荒廃化が問題になり、平成16年より荒廃農地に花を植える活動が始まり、信州大学大学院農学研究科根本和洋助教から「アマランサス」が紹介された地域でもある。アマランサスは中南米産ヒユ科ヒユ属の植物で草丈は約2メートルになり、直径1㎜ほどの実(種)をつけ、鶏頭のような穂は観賞用になり実や葉は栄養価が高く、21世紀のスーパー雑穀として注目されている。当初、秋に咲くアマランサスを見て楽しもうと栽培していたものの、この雑穀を新たな地域資源として活用できないかと商工会議所のコーディネートにより「産学官」の研究活動が始まった。
工夫した点・アピールポイント
アマランサスは栄養面も優れ、伊那市では育ち盛りの子ども達のために学校給食のメニューになり、生徒や児童達が授業で栽培するようになった。地元の農業高校生はアマランサスを使用したレトルトカレーの商品化を行い若い力で地域を盛り上げている。
また、地元企業ではアマランサスの持つ特性を活かした麺類やレトルト食品等の加工研究を行い、低アレルギー、低カロリーといった健康配慮型商品の開発が進んでいる。
地域おこしでは、アマランサスを使用した「伊那餃子」を全国に発信していこうと、「伊那餃子会」が「2012全国餃子万博inふくしま」へ出展し、PRを行った。
今後の展開・未来像
アマランサスは実の直径が1mm 程度と大変小さく収穫作業が大きな課題であり、作業の合理化、機械化を進めていく。活動を通じ、地域内での栽培、加工、販売といった「地産地消」のサイクルも確立し始め、学校教育等への普及や原産国グアテマラとの交流など活動の裾野が広がっている。こうした原産国でのアマランサスの活用法を研究することで日本国内での新商品開発に役立てていきたい。また、大学と連携することで国内でも最先端のアマランサスの加工研究を行い、ポップ化や粉末化等の用途開発の研究を行う。今後も伊那産のアマランサスのブランド化と普及を目指し全国展開に向けた研究活動を図っていきたい。
活用した地域資源
21世紀のスーパー雑穀!!伊那地域アマランサス
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伊那商工会議所
〒396-8588長野県伊那市中央4605-8
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