高速道路開通を機に建設が予定される道の駅おわせ(仮称)の利用者を市内へと誘客し、市内に散在する資源を活用した周遊プランにより市内周遊・滞在につなげ、観光交流人口の増加を図る。
概要・活動内容
尾鷲市を含む東紀州地域には、以前から高速道路の開通が望まれている。特に、日本国内でも多雨地域として有名な当市では、雨による国道の通行止めがほぼ毎年発生していることから、当市に求められているのは正しく「命の道」としての高速道路である。しかし、高速道路は交通の利便性向上と同時に、ストロー現象の要因にもなり得る。ただ、当市の高速道路網は、市内に設置される二つのインターチェンジがハーフインター(上下線双方向の乗降りが不可)で、しかも、高速道路網の完全開通までは二つのインターチェンジ間は市内国道を通過するという、他地域とは大きく異なった整備計画となっている。そこで、高速道路の開通をストロー現象=地域経済の疲弊とさせない方策として着目したのが「道の駅」である。道路利用者の休憩等を第一目的としながら、道路利用者を道の駅へ誘客し、更に、市内や当地域全域へいざなうきっかけとするために、本プロジェクトを利用して「『道の駅おわせ(仮称)』を核とする尾鷲市周遊プランづくり」を進める。この事業は、道路利用者をまず道の駅に誘客し、その利用客を市内周遊や滞在へとつなげることで、道の駅を地域経済活性化の起爆剤とするためのものであるが、道の駅設置に関しては市民からの理解が得られていない。そこで、本プロジェクトにおいて作成される周遊プランや報告書により、道の駅の有用性を道の駅設置者である市に対して訴えることで、道の駅を核とする周遊プランを完成させたい。
![](https://feelnippon.jcci.or.jp/projects/images/5103/001_ga.jpg)
工夫した点・アピールポイント
当所が道の駅を設置すべきと考えている候補地は、市内中心部からは離れている。また、市内国道沿いに、道の駅機能を有する土産物センターがある等、道の駅建設には市民からの理解が得られていないのが実情である。しかし、市内に設置される二つのインターチェンジ間は近い将来つながることが確実なため、国道沿いに道の駅を設置することは、インターチェンジ間が開通した際には不利になると考えられる。当所では、道の駅を拠点として街中と連携し、道の駅利用客を市内へ誘客することが道の駅の理想像と考えている。
そこで、本事業推進に当たっては、まちづくりや道の駅に関する知識を有するコンサルタント会社と連携して、尾鷲市周遊プランづくりを進めている。その第一弾として実施したのが、市内14団体の方々へのヒアリングである。コンサルタントという、外からの目だけで作成したプランでは、市民からの理解が得られないことが考えられるため、ヒアリングから抽出された課題や道の駅への要望などを取り入れたプランづくりを進めようとヒアリングを実施した。ヒアリングにおいては、当初は道の駅への理解度は低いものの、諸条件を丁寧に説明していくと、ほぼ全ての方々からの理解が得られた。
現在は、ヒアリング結果を基に周遊プラン作成に当たっての基礎資料づくりを進めると共に、道の駅の有効性や優位性を道の駅設置者である市に対して訴えるための、報告書作成を進めている。
今後の展開・未来像
平成22年11月から平成23年2月にかけて道の駅に関する検討を行っていた当初は、市内二つのインターチェンジ間はつながることがほぼないという前提条件の下、道の駅オープンを平成25年度と見込んでいたが、その後の東日本大震災と台風12号の自然災害により、市内二つのインターチェンジ間がつながることとなった。これにより、道の駅設置者である市の整備スケジュールや手法が大きく変わりつつあり、道の駅オープン時期や施設規模・コンセプトなどが全く未定となってしまった。当所では、元々考えていた平成25年度オープンを前提として検討を進めつつも、同時に市が考えるスケジュールへの対応も考えなければならない。
活用した地域資源
道の駅おわせ(仮称)、まちなか、港、熊野古道センター、夢古道おわせ
このプロジェクトの商工会議所はこちらです
尾鷲商工会議所
〒519-3611三重県尾鷲市朝日町14-45
尾鷲商工会議所のオススメ
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夢古道おわせ
三重県立熊野古道センターに隣接する、地域特産品の販売・地元料理のランチバイキング・海洋深層水温浴を体験できる集客交流施設。
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尾鷲イタダキ市
毎月第一土曜日に、尾鷲魚市場にて開催される物産市。市内の約40事業者・団体が出店し、地元色の強い特産品を販売している。
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おわせお魚市場おとと
市内国道沿いに立地する土産物センター。当市を含む東紀州一円の特産品を幅広く扱い、母体企業が運営する自社定置網からの魚の直売も行う。