中山間地域の自然環境保護のため多分野から成る「ジビエ料理開発会議」を設置し、(1)猪肉の流通体制の整備、(2)作った「ジビエ料理」の評価、(3)「ジビエ料理」 の八女ブランド化の3本柱で推進する。
概要・活動内容
全国的な野生鳥獣による農林業被害が年を追って増加し深刻な問題になっている中、当地域でも野生鳥獣による農林作物の被害額が150,841千円(平成23年度)ある。野生鳥獣を捕獲し、その肉を有効活用すればプラス資源に転換できるとの考えから、当地域で特に捕獲数の多い「猪」に焦点を当て、飲食業者や狩猟者等がシェフやジビエ料理の専門家等との連携を行い、猪の特性や市場性の調査を行いながら、八女産猪のブランドイメージの構築と八女ならではの「ジビエ料理」を試作する事を目的として事業を進めている。
工夫した点・アピールポイント
当地域では、捕獲した猪を解体し自家消費及び近所へ配るといった習慣が根強く、猪肉処理業の許可を得ていない者による地域間流通によって「負のイメージ」が植え付けられてきた。
地域での「イノシシ」のイメージは、田畑を荒らすやっかいもののほか、「食」として考えた場合も、固い・臭いの先入観があり、お金を出してまで食べない不味いものだ、安全でない食材であると捉えられている。
本事業では、先進地視察や食の専門家との意見交換など調査研究を進めていく中、猪肉を活用したジビエ料理の開発・普及を行う上で、中心食材となる猪の肉質が解体処理、加工技術によって大きく変化することを理解した上で、先入観を払拭できるジビエ料理の開発・普及に取り組む為の知識基盤が整いつつある。
今後の展開・未来像
牛、豚、鳥と比べ安定的に供給する捕獲方法、処理方法、加工方法や施設が乏しい地域であるので、地域間連携を行ったうえで、できる部分、できない部分を把握しながら地域に根ざした産業となるよう食に限った取り組みで終わらせず、今後は副産物の利用を考えた産業化並びに全国展開を目指す。
活用した地域資源
イノシシ
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八女商工会議所
〒834-0063福岡県八女市本村425-22-2