産地ブランドの構築による消費者向け高付加価値販売チャネルの開拓および産業観光の仕組みづくりのため、試作品開発や展示会でのテストマーケティング、工場見学、染め体験などを組み合わせたモニターツアー等を行う。
概要・活動内容
秩父地域は、かつて「秩父銘仙」に代表される全国有数の絹織物産地であった。「秩父銘仙」は、平織りで裏表がなく、ほぐし捺染と呼ばれる独特な製法とそこから生まれたほぐし模様に特徴がある。明治後期から昭和初期にかけ手軽なおしゃれ着として若い女性たちの人気を集めた。消費者ニーズの変化や輸入品との競争激化などの要因により織物産業は大きく縮小したが、当時の技術はいまも数少ない職人の手によって守り続けられている。
本プロジェクトでは職人の技術、数多く残るデザインアーカイブを核として、これからの生活スタイルに合わせた未来志向の商品開発、あわせて“織物のまち秩父”のファン創造につながるような取り組みを実施した。
工夫した点・アピールポイント
(1)秩父織物フェスティバル
「秩父祭屋台」指定50周年記念事業秩父祭笠鉾特別曳行に合わせ秩父織物フェスティバルを開催した。織物関連商品の展示、染め体験コーナーの設置、銘仙ファッションショーなどを実施、試作品と観光開発のモニタリング調査を行った。インターネットなどの媒体を活用し、多くの着物ユーザーに来場いただいた。
(2)クラフトツアーの実施
クラフトに関心のあるバイヤー6 名を招聘し、秩父の織元を巡るクラフトツアー(工房ツアー)を開催した。最近のトレンドについての情報提供や各工房に対するマーケティング戦略上のアドバイスをいただけただけでなく、売り手と作り手がコラボした試作品開発にも結びついた。
今後の展開・未来像
商品化の方向性と誘客のための仕組みづくり
商品化の方向性として、
(1)評価の高かったデザイン(復刻銘仙柄)ラインナップの拡張、
(2)売り手を含めた即効性の高い商品開発、
(3)有力な老舗メーカーと連携したマーケティング戦略、
(4)統一ブランド化の推進など、を行う。
また誘客のための仕組みづくりとして、
(1)織物フェスティバルの拡充による着物ファンの定着化、
(2)織物の歴史的背景を活かしたイベントの実施(布市など)、
(3)クラフトツアー実施による交流の促進、を行う。
活用した地域資源
秩父銘仙、秩父銘仙デザインアーカイブ、秩父ちぢみ、秩父神社、秩父夜祭、ちちぶ銘仙館
このプロジェクトの商工会議所はこちらです
秩父商工会議所
〒368-0046埼玉県秩父市宮側町1-7
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