概要・活動内容
上田市の経済状況は、中心となる生産用機械、電機関係が急激な円高の影響で悪化している。本事業で対象とする中小繊維製造業も低調なまま推移しており、厳しい状況にある。
そこで地域資源である上田紬産業を担っている職人的技術と、産学官連携を生かした信州大学繊維学部の知的集約機能の活用による製品開発と普及を、業界、大学の両者に呼び掛け、商工会議所が核になって伝統産業活性化プロジェクトを進める。
アピールポイント
上田紬の市場は、着物市場の低迷にしたがって低調である。しかしこれまでの調査・分析から上田紬は他の紬織物と異なり、デザインや風合いについて多面的な要素を持っていることがわかった。上田紬はデザインの変化に耐えうる織物であること、あるいはデザインの展開をさらに多様化し上田紬全体として常に変化することを一つのアピールポイントとして打ち出すことで、消費者の興味の喚起や販路の拡大と市場の獲得に繋げられると結論づけている。
このことから、原料となる繭を上田地域で養蚕することによる(完全な)地域ブランド化を基盤とし、ラグジュアリーアパレルへの展開やデザイン作業のデジタル技術による効率化によって、シーズンごとの色合いを出すことによる市場獲得への取り組みを具体化する予定である。
今後の展開
全国展開に向けた基本戦略としては、(上田紬という)製品を取り巻く諸要素を地域の中で再構成することで、製品の魅力を複数の側面から見えるようにし、日本国内だけでなくグローバルな展開(プロモーション)を進めることにある。
具体的には、①養蚕復活による「地域ブランド」の確立、②上田紬によるプレタポルテ試作(ラグジュアリー素材への展開)、③「上田紬デザインLabの構築」(デジタル技術を利用した上田紬のデザイン力強化=ファブリック設計システム、デザインアーカイブ、インターネット配信)、④「蚕糸ツーリズムの構築」(蚕糸関連の地域資源を活用したツーリズム)の4つから成る。これらは相互補完的に関連しており、全体として立体的な事業を構成する。
活用した地域資源
上田地域が有する伝統産業である「上田紬」・日本に唯一の繊維系学部としてある「信州大学繊維学部」の持つ研究リソース・上田地域にかつて繁栄した養蚕業の潜在的ポテンシャル・上田地域にある蚕糸や絹業の文化的遺産群と養蚕と絹業資源・長野大学が持つツーリズムとデザインのリソース
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上田商工会議所
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