米沢織とは、上杉家二代･景勝の時代に作られ始めた歴史を持ち、優美な絹織物として現代に受け継がれている。そんな伝統工芸品の手織りと紅花染めの体験を、気軽にできるのが染織工房わくわく舘だ。昔懐かしい手織の織機に触れたり、紅花染めの化学染料とはひと味違った風合いが楽しめる。館内には、作品の展示･販売があるだけでなく、オーダーによる着物･帯の製作もできるので、自分の個性を主張できる一品に出会えるかもしれない。

お鷹ぽっぽとは、米沢市笹野に伝わる約1200年以上の歴史を持つ郷土工芸のこと。サルキリという刃物1つで、コシアブラという寒い地方特有の木を彫り、シンプルな絵柄を付けたものだ。ここでは、そのお鷹ぽっぽへの絵付けを体験できる。ポスターカラーで自由に絵付けをするので、旅の記念にメッセージを書いてもよさそう。館内では展示･販売も行っており、縁起物として知られるお鷹ぽっぽ以外にも、尾長鶏やえびす大黒など、30種以上の民芸品が並ぶ。

市内郊外の鬼面川(おものがわ)沿い、自然豊かな場所にある小野川温泉。1200年ほど前に父を慕って旅をしていた小野小町が病に倒れ、立ち寄ったこの温泉に浸かって病が治癒した上に、絶世の美人に生まれ変わったという伝説がある。伊達政宗や米沢藩主の上杉鷹山も入ったという名湯だ。一帯は温泉街になっており、17 軒の宿泊施設がある。「足湯」のあるインフォメーションセンター「片葉の葦」で情報収集してから散策したい。毎年6～7月にホタルが見られることでも有名。

県立の「置賜(おきたま)文化ホール」と、市立の「米沢市上杉博物館」の2つが合築された施設。「米沢市上杉博物館」には、数千もの上杉氏ゆかりの品が収蔵され、なかには国宝になっているものも！そのほか情報ライブラリーや体験学習室があり、ミュージアム･ショップではお土産購入もできるなど、様々な楽しみ方ができる。建物自体も凝った造りが見物で、庇や列柱などの和の要素を取り入れた現代的な建築になっており、周辺の景観との調和も美しい。

地元米沢で採れる旬の素材を生かしつつ、各地から取り寄せる良質な素材を組み合わせた料理で人気の懐石料理店。ここでは、大河ドラマでブームになっている直江兼続にあやかった「兼続御膳」が食べられる。内容は、米沢藩に古くから伝わる伝統料理の冷汁に始まり、米沢牛の牛刺しやショウガ焼き、特産品のウコギを使ったうこぎ御飯など10品ほど。米沢の食の魅力が味わい尽くせるだけでなく、2100円というリーズナブルな料理で、歴史ファンならずとも食べておきたいメニューだ。

大正12年に上杉神社を再建した際に、創設された宝物殿。上杉謙信を主として、直江兼続、上杉鷹山の遺品など、平安時代から江戸時代にかけての甲冑、武具、絵画、服飾類を所蔵している。なかでも最近では、大河ドラマ「天地人」の影響で、直江兼続の「愛」の前立ての甲冑が有名だ。東北地方一の規模を誇り、その所蔵数は重要文化財132点、県文化財8点を含む1000点以上にも上る。歴史ファンならずとも一見の価値ある品々がそろうスポット。

上杉家歴代藩主の廟所で、藩祖である上杉謙信を中央に、12代までの藩主の廟が並ぶ。2代から8代までの廟はケヤキを使った社造りで、9代から12代までの廟は、杉やヒノキを使った宝形造りとなっており、長い年月の中で藩の財政事情が悪化していったことがうかがえる。上杉謙信の遺骸は、越後春日山(現在の新潟県上越市)や会津(現在の福島県会津若松市)を経て、1876年に現在の場所に移されている。1984年に国指定史跡となった。