市内24のジオサイトの近くには、名湯、秘湯と呼ばれる温泉が数多く存在する。豊富に湧き出る贅沢なかけ流し湯を楽しめるのが、姫川温泉[1]と焼山温泉[2]。また、蓮華温泉仙気ノ湯[3]は標高1475mにあり、野天風呂から素晴らしい眺望を臨むことができる。ナトリウム塩化物泉や炭酸水素塩泉など泉質も様々なので、ゆっくりと時間をかけてジオサイトとともに巡るのもおすすめだ。
そして急しゅんな地形であることから、日本海からの豊富な海の幸にも恵まれ、めずらしい深海魚が採れるのも糸魚川ならではだ。肝を溶いた濃厚なあんこう鍋[4]や豪快に食べるベニズワイガニ[5]、酒の肴にぴったりの幻魚(げんぎょ)[6]など、地元ではあたりまえの「食」であるものの、外から見ると非常に贅沢で旨い魚があふれている。そんな美味しさを一度に堪能できるのが海鮮丼[7]である。ひときわ大きくて甘い南蛮エビ[8]をはじめ、旬の魚が宝石のように盛り込まれた丼は感動の味だ。
市内には5軒の日本酒の蔵元があり、それぞれがこだわりの酒造りをしている。新潟は銘酒を多く生み出しているが、糸魚川は水の良さが自慢。自らの井戸を持ち、米作りから自社で行っている渡辺酒造の「根知男山(ねちおとこやま)」は、香り良くスッキリしたのど越しが飲み飽きない味わい。1650年創業の加賀の井酒造[11]は、新潟最古の酒蔵で、趣ある建物の店舗では、利き酒をすることができる。5軒のお酒[12]が楽しめる地酒セットも糸魚川駅そばにある「糸魚川観光物産センター」などで購入できる。