旬の魚介や野菜をカラリと揚げ、諏訪の味噌を使ったコクのあるタレをかけた「みそ天丼」[1]は、平成17年に誕生。長野県の9市町村に繋がる、「信州・天竜川どんぶり街道」の中で諏訪を代表する一品である。市内15店舗を彩るオレンジ色の幟が、みそ天丼を提供する目印である。基本は信州産の食材と味噌を使っていること。最初にみそ天丼を始めた「いずみ屋」[2]では、諏訪湖で揚がった手長エビをはじめ、季節の素材を使った味噌天丼を食べることができる。味噌ダレが小皿に添えられ、好みで調節できるのが嬉しい。みそ天丼をメインにしたセットメニューも充実している。
上諏訪街道には真澄や麗人など5軒の蔵元がある。酒造りの要となる、諏訪に流れる清涼な水を活かし、それぞれが個性的で誠実な日本酒を造っている[3]。規模は様々だが、諏訪に訪れなければ飲めない限定品も多く、徒歩圏内なので好みの日本酒を探してみよう。通常でも試飲することができるが、春と秋には「諏訪街道 呑みあるき」というイベントも開催される。また、老舗の佃煮店「えびす屋」[4]では、諏訪湖のわかさぎを揚げた「わかさぎの空揚」[5]や、シロップに漬けた生かりん[6]などが置いてあり、諏訪の味に触れることができる。
日本屈指の湯量を誇る諏訪では、温泉施設や宿泊施設の他、一般家庭にも温泉が引かれている。諏訪湖間欠泉センターでは、ダイナミックに噴き上がる間欠泉[7]や温泉の湧出口の七ツ釜を見ることができる。また、昭和初期に建造され、国の重要文化指定建築物の片倉館[8]では、大理石造りのロマンあふれる千人風呂を銭湯の感覚で気軽に楽しめる。さらに、市内には多くの足湯もあり、旅の合間に一息、疲れを癒してくれる。上諏訪駅の構内にも足湯[9]が設置され、到着や旅立ちのひと時のおもてなしになっている。