このサイトは2020年3月31日まで稼働していた、feel NIPPONの活動報告サイトのアーカイブです。
2019年度までの活動報告をご覧いただけます(現在、更新はしておりません)。

鹿児島県・枕崎商工会議所
日本一の鰹節生産地が生み出す「どすこいかつお」

1.開発段階の「どすこいかつお(『とことんかつお』から名称を変更)」
2.製法が伝わること300年以上の枕崎鰹節
3.一本釣りしたカツオを船上で活〆にして急速冷凍する「枕崎ぶえん鰹」
4.カツオのすり身で身の隙間を埋める「修繕」工程

ハムみたいなモチモチした食感で、カツオのうま味がぎゅ〜っと凝縮!

 カツオの南遠方漁業の基地・枕崎港を有する枕崎市は、カツオ加工業が発展してきた。中でも鰹節の生産は、300年以上の歴史があり、生産量は日本一を誇る。枕崎商工会議所では、地域の食資源を用いた特産品開発などに力を注いでおり、平成20年には市内で鰹節製造を行うマルミツ水産とともに、カツオの加工食品「とことんかつお」を開発。その「とことんかつお」は現在、名称を「どすこいかつお」に改め、商品化に向けて動き出している。

 枕崎市漁業共同組合総合加工場の俵積田剛さんによると「枕崎港は、静岡県の焼津港と並ぶカツオ漁業の基地で、年間8万tを水揚げしています。漁業は南太平洋が中心で、南太平洋で獲れるカツオは、赤身が強いのが特徴です。加工に適していることから、日本一の生産量を誇る鰹節をはじめとした加工業が盛んに行われてきました」とのこと。豊富な水揚げ量が、カツオ加工業を育んできたのだ。
 同市で鰹節の製造が始まったのは延宝4年のこと。明治時代に入ると鰹節の需要は増大、枕崎の鰹節製造は大正10年前後から活発になったようだ。

 同市の鰹節製造会社・マルミツ水産の上木原貢さんは「枕崎では300年以上も前から鰹節が作られていて、職人の手によって受け継がれてきました。最近では、その技法を生かした新たな加工食品の開発に取り組んでいます」と語る。その新作が「どすこいかつお」だ。では「どすこいかつお」とはどのような商品なのか。
 「『どすこいかつお』は、ハムみたいな少しモチモチとした食感を特徴とした、カツオのうま味が凝縮した加工食品です。熱を加えずにそのまま、おつまみ感覚で食べられます」(上木原さん)。その製造には、薫製の技法が使われているという。「鰹節製造で培われた『いぶし』の技法を使っています。

 具体的な加工法は、まず冷凍カツオを水で解凍し、頭をとって生処理します。カツオ特有の臭みをなくすため、生の状態で鹿児島坊津産釜だき塩やコショウ、トウガラシが入った調味液に漬けて味付け。次に味が流れ出ないように蒸気でボイル、最後にいぶします」(上木原さん)。

 いぶすことで風味を加え、うま味を凝縮させているのだ。また、生処理の工程にも、工夫がされている。「魚の練り加工食品は、身がボロボロにならないようにミンチにかけることが多いのですが、カツオをミンチにかけるとえぐみが出てしまいます。そこで、えぐみが出ないように手作業で身をつぶしています。そのため大量生産は難しいけれど、独特の食感を生み出すことに成功しました」(上木原さん)。

 300年以上にわたり受け継がれてきた技法と、現在の職人の熱心な手作業によって作られる「どすこいかつお」。今後は、枕崎グルメの「かつおラーメン」の具用に開発を進めて商品化を目指すという。チャーシューの代わりとして、「どすこいかつお」がのった枕崎ラーメンを食べられる日が待ち遠しい。


枕崎をもっと楽しむ! ここに立ち寄りたい!

枕崎市かつお公社
 

隣接する直営店で「枕崎産 本枯節1本」(945円)や「鰹たたき炭焼」(3200円)などの水産加工品が購入できる。また、予約なしで冷凍カツオの割裁作業風景などの見学(無料)も可能だ。

住所:枕崎市立神本町347
電話:0993-72-7021 営業:8:00〜18:00(製造工程見学は〜16:00) 休み:無休(製造工程見学は日曜・祝日) 駐車場:20台(無料) HP:公式サイト
南薩地域地場産業
振興センター

カツオ加工食品や薩摩焼酎などの特産品の購入、薩摩料理の食事ができる。また、2階には資料展示コーナーかあり、カツオ一本釣り漁業や鰹節製造業といった地場産業の発展過程を学べる。

住所:枕崎市松之尾町37-1
電話:0993-72-3133 営業:8:30〜18:00
休み:無休 駐車場:70台(無料)
HP:公式サイト
味処一福
 

枕崎港に揚がる新鮮な魚介類を使った料理が自慢の人気店。カツオのたたきや内臓煮、腹皮天ぷら、酢の物、カツオ味噌を一度に味わえる「かつお定食(松)」(1400円)など、カツオ料理も豊富だ。

住所:枕崎市東本町8
電話:0993-72-3347
営業:11:00〜14:30、17:00〜21:00
休み:不定休 駐車場:10台(無料)
魚処なにわ
 

物郷土料理の「びんた料理」が食べられる食事処。「びんた」はカツオの頭の部分のことで、煮込み(550円)は目玉の周囲のゼラチンや、身が締まったエラの近くのほほ肉が絶品。定食(1000円〜)もある。

住所:枕崎市千代田町7-1
電話:0993-72-0481
営業:11:00〜14:00、15:30〜20:30
休み:不定休 駐車場:30台(無料)
飛行機・バス・電車でアクセス

◎東京駅から
羽田空港から飛行機で鹿児島空港へ、バスに乗り換えてJR枕崎駅へ

◎大阪駅から
大阪空港から飛行機で鹿児島空港へ、バスに乗り換えてJR枕崎駅へ

◎鹿児島駅
JR鹿児島駅からJR日豊本線にてJR鹿児島中央駅へ、JR指宿枕崎線に乗り換えJR山川駅経由でJR枕崎駅へ

車でアクセス

◎東京駅から
首都都心環状線、首都3号渋谷線を経て東名高速道路へ、豊田JCTから伊勢湾岸自動車道、新名神高速道路、名神高速道路、中国自動車道などを経て神戸JCTへ、山陽自動車道、広島岩国道路を経て中国自動車道へ、門司ICから九州自動車道へ、川辺ICを降りて、指宿有料道路、国道225号線などを経て枕崎市内へ

◎大阪駅から
名神高速道路、中国自動車道などを経て神戸JCTへ、山陽自動車道、広島岩国道路を経て中国自動車道へ、門司ICから九州自動車道へ、川辺ICを降りて、指宿有料道路、国道225号線などを経て枕崎市内へ

◎鹿児島駅から
県道204号線、産業道路、国道225号線などを経て枕崎市内へ