「鹿児島×ナポリプロジェクト」では、パスタ・ピッツァ・ドルチェ(スイーツ)など、計10品の新メニューを開発。その味を支えるのは、豊富な鹿児島県産の地域食材だ。プロジェクト開始時から、黒豚や鰹、薩摩焼酎など身近な食材を使用するという共通認識をメニュー開発に参加したシェフたちはもっていた。 「普段口にしている鹿児島の食材の旨みを生かしたかったんです。たとえば、長島産地ダコ。和食ではしっかりとした歯ごたえが好まれるのに対し、ナポリではタコは柔らかく茹でるのがよしとされる。食材の旨みを生かしながら、調理法をナポリ風にアレンジしてみました」と、ナポリでの修行経験があり、今回ピッツァメニュー開発の中心的役割を担った「ロロ・ディ・ナポリ」の金氣大士さんはいう。 イタリアンでありながら、鹿児島らしさを打ち出しているのがこのプロジェクトの特徴。「ババ」というドルチェは、ナポリではラム酒を生地に染み込ませるのが一般的。だが、プロジェクトで生まれた「焼酎と黒糖のババ」は生地を鹿児島産の芋焼酎に浸している、鹿児島ご当地のイタリアン・スイーツなのだ。 「このプロジェクトをきっかけに、同業種のつながりが強くなりました。みんなで話してみて分かったのは、鹿児島の食と町が大好きなんですよ。もちろん自分も含めてね」と、「トラットリア カンパーニア」の米満暁さんがいうように、「鹿児島イタリアン」を支えるのは、地産食材をふんだんに使い鹿児島の魅力を伝えようとするつくり手の郷土愛だ。観光客はもちろん地元の人々にも好評だという理由が良くわかる。 |
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