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地域資源の発掘から新商品の開発・育成・PR

ワークショップ

地域資源の発掘から新商品の開発・育成・PR

日経BPヒット総合研究所 プロデューサー 加藤芳男 氏

資源の発掘からPRまで、商品をどう育成していくか?


日経BPヒット総合研究所 プロデューサー 加藤芳男 氏

各地で取り組まれている事業において、地域資源の魅力をどう伝え、事業者をどう巻き込んでいくか。日経BPヒット総合研究所 プロデューサー 加藤芳男氏により、実際の事例をもとにして現状と課題を見つけるワークショップが行なわれた。

初日の午後は「地域資源の発掘から新商品の開発、育成までのプロセスとは?」について、そして2日目の最後に行われた研修総括では「商品の弱み・強みを踏まえたSWOT分析とPR実習」がテーマになった。

まず初日は、(1)地域資源の発掘(2)地域の人的リソース・ネットワーク、「チーム」の構築(3)リサーチ&商品企画・コンセプト構築(4)チャネル戦略・販路開拓戦略の立案(5)商品・サービスのデザイン(6)テスト販売・試作品製作(7)ユーザー向けコミュニケーション・PR活動(8)新商品ローンチ後の商品育成戦略といった、モノづくりの8つのプロセスが紹介された。ここでは、燕商工会議所の「磨き屋シンジケート」の取り組みが成功事例として取り上げられ、それぞれのプロセスにおいて実際どのようなことが検討され、実現していったのかが紹介された。

これらを踏まえ、参加者はそれぞれが取り組む「商品の概要」「特徴・可能性」「想定市場」「競合」「最優先課題」などをシートに記入し、発表。そして参加者を2つのチームに分け、それぞれ1つの課題を選び、どう進め、克服すべきかを話し合うというワークショップが行なわれた。

ここでは、「商工会議所だけでなく、幅広く外部のネットワークを活用するべき」「事業者を巻き込む場づくりが大切」「受益者をきちんと把握することが必要」という意見に加え、「商工会議所頼りにならないよう、商品開発後の育成こそ大事なミッション」などと積極的に意見交換がなされた。

また研修総括では、参加者がそれぞれ自らの商品についての「SWOT分析」を検討し、発表を行った。

さらにPRのノウハウを学ぶため、プレスリリースを作成するワークも実施。研修終了後も宿題としてブラッシュアップを重ね、商品が具体化すれば実際にプレスリリースを行っていく予定になっている。

各商工会議所の取り組み紹介

酒田商工会議所 中小企業相談所 次長 高橋謙治氏

同所では「鳥海山・飛島ジオパークネットワーク構築事業」などを展開しているが、特に最近は「傘福」(子どもが健やかに育つように願う吊るし飾り)を観光に活かせないかを考えている。

まち歩きのコースに入れたり、バスツアーを企画して高評価を得ているが、現状では女性会がボランティアで傘福を作っていることから、常設でき、管理できる観光事業者を見つけることが課題になっている。

恵庭商工会議所 産業振興課 主事 出南 大氏

札幌と千歳の間に位置し、札幌のベッドタウンになっている恵庭は、観光客がただ通過してしまうことが課題になっている。

地元には豊かな自然、農畜産物、ビール工場や日本最大級のパークゴルフもあり、都市機能と自然のバランスがとても良いという利点がある。

そこで、道央圏の観光滞在者を対象にした個人フリープランなどを開発していきたい。そのための観光調査事業を、現在展開している。

江津商工会議所 指導課 脇田郁夫氏

同所では「再生可能エネルギー施設を核とした産業観光開発プロジェクト」を推進している。

木質バイオマスやソーラー、地熱、風力など、さまざまな施設の建設が進んでいることもあり、市民の関心が高く、行政が積極的に取り組んでいる。

しかし同様な施設は他地域にもあることから、江津ならではの視点や、魅力を語れる人の養成が急務であり、観光事業者をどう巻き込んでいくかも課題になっている。

新庄商工会議所 総務課 佐藤亜希子氏

同所では「雪を地域資源にした観光コンテンツ開発」に取り組むべく、調査を開始した。

山形新幹線のターミナル駅でありながら、観光で訪れる人は少ない。そこで、雪を活用した観光商品の開発を進めている。

雪が多い地域はライバルが多いことから、なぜ新庄かということを、きちんと場を作って固め、交流人口を増やし、いずれは定住人口増につなげていきたい。

塩尻商工会議所 総務課 主任 山田 崇氏

同所では、塩尻・下諏訪・岡谷の3つの会議所が連携して「宿場観光から街道観光へ ゆっくり歩こう初期中山道」プロジェクトを推進している。

単に「各街道を制覇したい」という観光客では、リピートが見込めない。そこで、首都圏の30代をターゲットにし、すべてを歩くというよりも“いいとこどり”の街道歩きとして自転車を活用。気持ちの良いところだけ自転車で走り、急坂などは自動車で運ぶサービスを組み合わせることを考えている。

下諏訪商工会議所 総務課 総務係長 清水義樹氏

塩尻・岡谷と下諏訪で連携したプロジェクトとなるので、そのメリットを最大限に活かしたい。

観光客にとって行政区分は関係がないことから、宿場で観光客をもてなし、お金を落としていただくことを考え、その間の移動は自転車と(自転車の)代行運送という“いいとこどり”の歩き方を提案したい。

そのために、他の街道との差別化や、施設を充実させて“線から面”へどうサービス展開できるか、さらに自転車以外の観光客にどうアプローチしていくのかも課題になっている。

下田商工会議所 振興課 土屋秀行氏

同所は「写真の祖 蓮杖プロジェクト“黒船来航から文明開化まで”」を進めている。

幕末の写真家である下岡蓮杖の没後100年ということもあり、下田を写真の聖地とすべく取り組んでいる。写真コンテストや写真合宿などを企画しているが、下岡蓮杖そのものの知名度を上げることでさらなるPRをしていきたい。

また、蓮杖に関する説明版や案内表示をもっと充実させればガイドツアーなども実施できる。女性や銀塩写真に関心がある人など、ターゲットを絞った情報発信も進めていきたい。

宇部商工会議所 総務部長 原田精二氏

企業城下町ということもあり、文化度を上げる取り組みとして現代彫刻展を実施して50年になる。2年に1回開催されることで、世界3大ビエンナーレを謳っているが、その知名度向上が課題。また市民により現代彫刻を理解してもらう取り組みも必要だ。

来年は大河ドラマ『花燃ゆ』で幕末の長州藩が取り上げられることもあり、平成24年に「アエル ヤマグチ」ブランド開発推進事業に取り組んだように、広域のプロジェクトも進めていきたい。

津島商工会議所 振興課 経営指導員 大橋真佐子氏

名古屋から30分の場所に位置する津島は、年間90万人が訪れる津島神社など、歴史ファンにはおなじみの場所になっている。

平成22年・23年には「信長めし」開発プロジェクトを行い、とても話題になった。しかしその後、参加店の競争が激しくなったり、手が込んでいる品のために予約制になり、観光客の利便性が失われる事象もある。

また、商工会議所がいつまでも主体になることは事業者の自立を損ねるため、どう人材を育成するかが課題になっている。プロジェクトをどう手直ししてさらに観光客を呼び込めるか、考えていきたい。

彦根商工会議所 中小企業相談所振興課 係長 小川聖司氏

「ひこにゃん」で8年前に話題になるなど、彦根城周辺は大変にぎわったが、最近では観光客の減少や、歴史ファンが来ても宿泊につながらないなど、課題が見えてきた。

そこで、ひこね新ブランド開発事業として彦根城をライトアップやイルミネーションなどで彩るプロジェクトを進めている。しかし、城やイルミネーションは他地域にもあるので、どう差別化するかが課題。歴史をからめたストーリーを全面に出し、短時間でまわれるモデルコースをつくってガイドを育成したり、新たなグルメを開発することにも取り組みたい。