このサイトは2020年3月31日まで稼働していた、feel NIPPONの活動報告サイトのアーカイブです。
現在、更新はしておりませんが、2019年度までの活動報告はご覧いただけます。

現在、feel NIPPONは支援の一環として、商工会議所と事業者が連携して生み出した商品を、全国のバイヤーに向けて紹介する会員制サイトfeel NIPPON BtoBを運営しています。
feel NIPPON BtoB: https://feelnippon.jp/

工芸品の展示販売・商談会「技のヒット甲子園2014」

日本商工会議所が実施する地域資源∞全国展開プロジェクト「feel NIPPON」と、日経BP社のトレンド情報誌「技のヒット甲子園」が、2014年12月3日から5日まで、渋谷ヒカリエにて行われた。
当日はトークイベントや出展事業者によるプレゼンテーション、商品販売なども行われ、大変な盛況となった。当日の様子や各事業者の思いなどを紹介しよう。

出展事業者・商工会議所コメント

全国各地から100以上の工芸品が揃った「技のヒット甲子園」。出展事業者や商工会議所の担当者から、今回のイベントへの意気込みや商品へのこだわりについて語ってもらった。

弘前

有限会社二唐刃物鍛造所
刃物事業部 取締役部長 吉澤剛 氏
今回は販路を少しでも広げられればと思って参加しました。二唐刃物鍛造所は私で8代目、 350年以上続く刀づくりの技術を伝承する青森の刃物屋です。刀づくりの技術を生かし、これまで主に和包丁を作ってきました。青森で包丁が作られていることを知らない方も多いので、より多くの方に青森の包丁を使ってもらいたいとの思いで、今回は家庭用で使いやすいものをと考えて洋包丁を持ってきました。ぜひこの包丁を使って料理の楽しさを味わってもらいたいですね。

燕

燕商工会議所
サービス課長 高野雅哉 氏
今回展示しているのは未完成の商品です。本イベントで「どの色が売れるか」など反響を見て、商品化の参考にしたいと思っています。美しく展示してもらっているので、バイヤーさんの目に止まったら嬉しいですね。折角なので販路も見つけて帰りたいと思います。
同時に燕の地場産品のなかでも、工夫がこらした「ありそうでなかったもの」も紹介しています。例えば、日本人は箸の文化なので元々持ち替えながら食べるという習慣がありませんでした。そこに注目して出来上がったのが、フォークとスプーンとナイフを合体させた商品です。また、商工会議所と事業者協同で制作したスタッキングできるマグカップなど、便利なものも展示しています。
燕全体で地域ブランドを確立し、ある程度値段が高くても商品が売れるような付加価値をつけていきたいですね。

諏訪

株式会社カジュッタ
マーケティングディレクター 武居章彦 氏
今回のイベントでは、色々な方に当社の商品を見ていただき、まずは知っていただくことが大切だと考えています。そのうえで、最終的に販売に繋げられたら嬉しいです。
前回のブラッシュアップコンサルティング会議を受けて、ハード面だけでなく、レシピの提案や盛り付け、演出の方法などのソフト面の検討を社内で行っています。我々の目的はこの機械を売ることだけに止まず、この機械を使って商売をする飲食店等が繁栄することです。カジュッタを使ってどう商売につなげていけるか、具体的な提案をしていけるよう準備を進めています。
今後は、日本のみならず海外に展開できるよう、安全性にさらに磨きをかけていくつもりです。そのためにも、各国の規定や環境への対応などクリアすべき問題を社内で検討しながら少しずつ前に進めていきます。

下諏訪

下諏訪商工会議所・中小企業相談所
清水義樹 氏
諏訪の技術をより多くの人に手にとって感じてもらいたいという思いで参加しました。下諏訪は水が豊富で晴天率も高く、ものづくりに適した風土です。そのうえ、石器時代に黒曜石(こくようせき)の加工を行っていたDNAが生き続け、小さいものを加工するのが得意な地域です。今回ご紹介する商品も技術のコラボでできたものが多く、例えばオルゴールはアイデア次第で様々な掛け合わせが可能ですし、横との連携も生みやすい製品です。
私たち商工会議所職員も地元の職人の技術をさらに引き出して、広めていきたいと思っています。そのために、横との連携や有益な情報のインプット・アウトプットを重ね、職人たちのポテンシャルを引き出せるきっかけ作りを創造していければと思っています。

川越

株式会社丸広百貨店
本店営業部営業第2部長 伊藤敏幸 氏
百貨店はどこに行っても大体同じものがうられているのが現状です。私どもの店舗は埼玉県という都心に近い土地にあるため、都内の百貨店と同じことをしていても、商品数の多い都心の百貨店にはかないません。そこでオイジナリティを出すため、我々は地域に密着したオリジナル商品を作ることにしました。
私たちが注目したのは、川越市の伝統的生地織物であり、昔江戸を中心に大流行しながら、現在では市内の呉服店2店舗でのみ取扱いのある「川越唐桟」という素材です。この「川越唐桟」を現代風にアレンジしたらおもしろいと思い、オリジナルワイシャツの商品開発に取り組みました。
今回のイベントでは、こうした地方百貨店の取り組みや、川越唐桟を使ったオリジナル商品が、皆様の目にどのように写るのか、反応を知りたいと思っています。
いまは地元でのみの販売ですが、徐々に広げていくことで、地元の古いものを新しいものとして生き返らせ、川越の知名度アップにも繋げていければと思っています。以前は、都内にどう近づくかということを考えていましたが、地方百貨店だからできることを今後も実践していきたいです。

富士

植田産業株式会社
業務部次長 小林丈洋 氏
ヒカリエという若い人が注目する場所で、いままで接点のなかった新しい感覚を持った方々との出会いに期待しています。そして、今回の機会を通じて出展商品「紙バンド」をもっと世の中に知らせていきたいです。
私たちは、富士山という素晴らしい環境の中で暮らしているという思いが強く、富士山で作られた素材を他の地域でいかに使っていただくかということに関心を持っています。現在、ヨーロッパでの販路開拓に力を入れており、現地の方に紙バンドによる手芸を楽しんでいただけるよう、海外の企業との契約も進めています。
また日本の皆さんには当社の本社ギャラリーにお越しいただき、国内最大級ともいえる手芸作品専用の展示をお楽しみいただければと思います。

桑名

桑原鋳工株式会社
代表取締役社長 桑原健造 氏
前回のコンサルティング会議では「お一人様用」のラインナップが面白いという意見をいただいたので、1人用の天ぷら鍋を新しく作ってきました。これからも、「一人用」というキーワードをもとに、小さい種類の商品をどんどん開発してみようと思っています。
今回のイベントには、新しい出会いの場や情報発信の場として期待しています。自社サイトでの販売だけでなく、商品の雑誌掲載やこだわりのセレクトショップに並べてもらうことを目指しています。そして、“鋳物”とは何かを語れる場所をどんどん作っていきたいですね。情けないことに鋳物と聞いてもピンと来ない人が多く、我々は情報発信が下手でした。今後いろいろな場に出ていくことで、鋳物そのものの認知を高めていきたいです。

鯖江

株式会社乾レンズ
Cha.T.Re事業部 諸井晴彦 氏
私は、「めがねの街 ”鯖江”のめがね職人が、めがねじゃないものにチャレンジ!おめがねにきっとかないます。」をテーマに活動している委員会 鯖江”ギフト組” 代表をしております。近年、鯖江の知名度は上がってきておりますが、実際には人件費の安い海外への委託生産が多くを占めており、我々のような部品を作る下請け工場は、どんどん縮小・廃業しつつあります。各々のメーカーが自分たちの得意な技術を活かして最終消費者に買っていただけるものを創ろうと集まったのが成り立ちです。
メガネを作ることに関してはプロフェッショナルですが、メガネを作るという環境ではただのOEMメーカーで、下請けにすぎません。そうではなく、自分たちが「メーカー」であると認識するために、鯖江ギフト組というチームが存在しています。最初は販売に関してゼロからのスタートでしたが、今では県からも期待されるほどに力をつけてきました。昨年からは、同じ鯖江に籍をおく漆や繊維、和紙のチームとも協力を始め、鯖江の企業が一体となって盛り上がっていきたいと考えています。そして、日本からメガネづくりの技術がなくならないようノウハウを残していきたいです。
今回のイベントでは、お目にかかったことのない人々との出会い、新しいコラボレーションができないか、考えてきました。横のつながりを作り、“新しいものづくり”をしながら日本の強さを広げていければと考えています。メーカー同士が共存し、みんなで生きていければと思います。

龍野

株式会社ワイエス
デザイナー 松田有加 氏
ものづくりの原点を支えてくれている職人にきちんと光が当たるようにとの思いで作られたブランドなので、このブランドを少しでもPRしていければと思い参加しました。今回お持ちした商品は、装飾物を極力使わず、革をふんだんに使った、ぜいたくな質感を楽しめる商品です。先日のブラッシュアップ会議にも参加したことで、思い描いていたアイデアの背中を押され、改良した商品「革のエコバッグ」も持参しました。1カ月の短い期間でしたが、これから商品化する予定です。また、他の出展者と会話する機会も多く、コラボレーションしようという話も持ち上がっています。これからもブランドを通して自社の革職人に光があたるよう、努めていきたいと思います。

大和高田

大和高田商工会議所
にぎわい大和高田推進課 課長 森田美穂 氏
私たちの商品は、地元で有機栽培し手間暇かけて手摘みした綿の優しさを活かすために、素材をいじめないようにしています。具体的には、ベビー商品というと明るい色にするために漂白や染色をしますが、それを一切行わず、生成り一色にこだわった珍しいものです。
商品化は各事業者と商工会議所が協力して進めており、編立・縫製以外に付属品のボタンやロゴの作成も地元企業が行うことで、地域の産業を活性化していきたいです。
今後はベビーとマタニティで商品の立ち位置を確立しつつ、肌にやさしい商品への需要があるシニア層にも展開していきたいと考えています。
私たちの一番の特徴でもある“優しさ”を形に表すような商品を、これからも作っていきたい。そのためにも今回の展示販売・商談会では、誰に商品を勧めていけばよいか、どんなものが求められているかについて探りたいですね。

府中

豊田産業株式会社
営業 豊田晃子 氏
前回のコンサルティング会議を受けて、桐の素材そのものにこだわった商品を作って参加しました。桐は吸湿性が高く、周囲の湿度を一定に保つので、古くから大切なものをしまっておく、箪笥やその内装品、或いは骨董品や書軸などの収納箱等の素材に使われてきた歴史があります。今回、用意したのは、スカーフケースやA4書類の保管ケース、パスタケースなど、湿気に弱いものや大事なものをしまっておくための箱です。すでに、今回のイベントで小売店の方と店頭でのテスト販売をすることが決まり、さらなる販路拡大にも希望が見えてきました。創業からやってきたことを、改めて魅力があると外部の人から言っていただき、新しいカタチのものを生み出せたことを嬉しく思っています。
木材家具が下火になってきていますが、桐や木材の魅力をこれからも伝えていきたいと考えています。
府中

有田

有限会社金賞堂
代表取締役社長 金子真爾 氏
今回の展示販売・商談会では、流通に関わる方とのご縁ができたらと思いやってきました。
当社の商品は、日本の象徴である富士山を有田焼で表現しています。そのきっかけは「富士山ペアぐい呑」の「魅力ある日本のおみやげコンテスト2011」での受賞です。その後、富士山の世界文化遺産登録により、関連商品への注文が殺到したことを受けて生まれました。有田焼では低価格帯の商品はむずかしいため、富士山などの縁起物や、海外からの観光客に向けのデザインなど、他にない付加価値をつけていく必要があります。
また、従来からの当社の主な売り先であったやきもの専門店の減少で、これまでとは違う売り先を見つけていかないといけません。今、政府の方針として海外からの観光客を増やす施策がとられています。そこで、海外の人にもわかりやすい、日本的なものを商品として形にすることで、海外からの渡航者が増える2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて頑張って行きたいと考えています。