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2019年度までの活動報告をご覧いただけます(現在、更新はしておりません)。

地域資源開発から新商品(製品・サービス)のローンチ・育成サービス

ワークショップ

地域資源開発から新商品(製品・サービス)のローンチ・育成サービス

日経BPヒット総合研究所 プロデューサー 加藤芳男 氏

商品の魅力をどう伝えるか、事業者をどう巻き込んでいくか

日経BPヒット総合研究所 プロデューサー 加藤芳男 氏

研修初日の午後は、日経BPヒット総合研究所 プロデューサー 加藤芳男氏による進行のもと、各商工会議所職員によるワークショップが行われた。同プログラムでは、「地域資源開発から新商品(製品・サービス)のローンチ・育成サービス」をテーマに、(1)地域資源の発掘、(2)地域の人的リソース・ネットワーク、「チーム」の構築、(3)リサーチ&商品企画・コンセプト構築、(4)チャネル戦略・販路開拓戦略の立案、(5)商品・サービスのデザイン、(6)テスト販売・試作品製作、(7)ユーザー向けコミュニケーション・PR活動、(8)新商品ローンチ後の商品育成戦略という、モノづくりの8つのプロセスが提示された。

このプロセスに従い、各商工会議所の職員は現在取り組んでいる地域資源を活用したプロジェクトについて検討を行い、各自がSWOT分析を活用し発表を行った。同じ課題を抱える参加職員からは、「消費者ニーズに合ったモノづくり」「商品の魅力をどう伝えるか」「事業者の巻き込み方」など、積極的な意見交換や、課題解決に向けたアドバイスが行われた。

賀茂・上越・鹿沼・川越、各商工会議所の取り組み紹介

加茂商工会議所 業務指導課 主任 山本玲 氏

加茂市は新潟県のほぼ中央に位置し、古くから越後の小京都を呼ばれました。古くから桐箪笥の生産が全国70%を占めており、現在でも伝統技術を受け継いでいます。しかし、家具、装備品の製造品出荷額は当時106億円ほどありましたが、現在では約12億円程度となり非常に厳しい現状にあります。当所では、ジャパンブランドにおいて、新製品の開発を行い、加茂桐箪笥を広くPRしています。また、加茂市はマカロニ国産生産発祥の地として、マカロニを市内外に広めていこうと販路拡大を図っています。

上越商工会議所 総務課/新幹線開業対策等専任 係長 秋山裕樹 氏

現在、北陸新幹線開業対策を担当しており、これを期に上田商工会議所とタイアップした旅行商品を作ろうとしている。具体的には、上越は上杉謙信、上田は真田幸村ゆかりの地であり、両武将は大変強かったので、“負けない”をテーマにした旅行商品となる。北陸新幹線で関東とつながるメリットは大きく、歴女や企業経営者の社員研修に活用して欲しい。“負けない”や上杉謙信の“義の心”は社員研修に向いており、そして大河ドラマでは「真田丸」が放映予定なので注目度も高い。こうした旅行商品の魅力の伝え方、旅行代理店に扱ってもらう方法などが、調査事業を行っていく上で今後の課題となる。

鹿沼商工会議所 振興課長補佐 佐藤貞行 氏

鹿沼市は昔、木工の産地で主に建具や組子の生産を行い、鹿沼商工会議所では建具商工組合、機械商工組合のコーディネイトを行っている。昔は木工需要で栄えていたが、現在は建築様式が代わったことで売上は半分以下となっている。こうした状況を打破するため、「オフィス」「若年世代」「IT」といった、これまで木工とは縁遠いと思われていた新しい分野に向けて、木工と金属を組み合わせた間仕切りシステムを開発した。同製品は、オフィスに手軽に備え付けることができ、目隠し部分のリニューアルや製品の解体も可能と、取り扱いやすさを重視している。また、どこの地域の木材を使ってもよいので、他地域でもニーズがあれば対応し、地元企業が仕事を受けられる仕組みを作りたいという。

川越商工会議所 中小企業相談所 企業支援課 主査 江田哲也 氏

川越会議所では、江戸時代に江戸で大ヒットし、残念ながら明治時代に衰退した綿織物、『川越唐桟(とうざん)』を地域資源として活用することを考えている。

この生地は昭和60年代にある織物工場が復活させたのだが、域内での認知度が高くない。まずは域内での認知度を高めるため、商店街の方々に川越唐桟のエプロンをつけてもらうことを立案した。

現在、製造量と使用量の調査、事業者のニーズ等を把握中である。その後、域外への展開を期待しているが、認知度の向上、事業者の巻き込み方など課題は多い。今回の人材育成事業で学んだことを参考に、川越唐桟の販路開拓を実践していきたい。