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特集 第1回「港町」 宮城県・気仙沼商工会議所 港町発、スローフード宣言 旅しませんか気仙沼 ~昭和初期の町なみ発見~

全国各地で取り組まれている「地域資源∞全国展開プロジェクト」の中で、特徴的な取り組みをテーマごとに全6回にわたって紹介します。1回目は活気ある漁港を有する港町・気仙沼です。

入り江の奥の港町

フカヒレの生産風景

冬は晴れの日が多く、乾燥した北西の風が吹くため、最上のフカヒレがつくられる土地なのだ。

気仙沼という地名は、昔、社会科の授業で習った。以来、ときどき思い出しては、訪ねてみたいと思っていた。リアス式海岸が続く三陸を代表する港町と聞けば、入り江と岬が複雑に出入りする地形を思い浮かべ、景色の素晴らしい土地に違いないと想像したからだ。

市の人口は約7万4千人。緑豊かな山が迫っているから、町中を歩いていると坂が多く、「ここは化粧坂、あの道は追い越し坂」と、食事に入った店の主人が教えてくれた。

深く入り込んだ内湾の奥に町が拡がっていて、港には停泊中の船が舳先を並べていた。遠くに見える大島へ向かうフェリーが岸壁を離れた。カモメの鳴き声を掻き消すように汽笛が鳴った。

平成18年度から全国各地で、地域資源を生かした特産品や観光開発を行う「地域資源∞全国展開プロジェクト」が実施されているが、気仙沼では平成19年度に、町の魅力を全国に発信する事業を展開した。テーマは"古い町なみと豊かな食材"。昭和初期の美しい建物が今も残る「港町」は、日本で最初の「スローフード都市宣言」を行った町でもあるのだ。

安波山より港町を眺める 漁港から海を臨む

右)漁港付近から海を眺める。漁船が整然と停泊し、海鳥が優雅に飛んでいる。

左)標高239メートルの安波山の中腹から港町・気仙沼を眺める。深い入り江の奥に拡がった天然の良港だ。