全国展開∞事業を成功に導くためには

小山商工会議所 講演

全国展開∞事業を成功に導くためには

~かんぴょうプロジェクト&桑のミクスプロジェクト~

小山商工会議所 理事 大関幸秀 氏

栃木県の代表的な特産品「かんぴょう」を活用した商品開発

小山市は首都圏から近く、今年3月14日のダイヤ改正で宇都宮線・高崎線・常磐線等の在来線が東京駅に乗り入れるため、関東地区全体の競争が激しくなる。そのため、商工会議所としても特徴ある活動をしないと、その存在自体が認められなくなる。そんな危機感から、平成14年より地元の3大学とコラボレーションを行い、活発な異業種交流から徐々に人的ネットワークが構築されていった。

こうしたコラボレーションの中で注目されたのが、生産量が400トンで日本一、全国に流通している98%以上が栃木県産という「かんぴょう」だった。

ただし栃木県内の実情を見ると、かんぴょう作りは重労働で後継者がいない。そのうえ、流通しているかんぴょうの9割は中国産と、ここ数年苦境を強いられていた。そんな状況を変えるべく、この栃木県の代表的な特産品かんぴょうを活用して、商品開発を行っていくこととなった。

世の中が必要としていないモノは売れない

かんぴょうを商品化するにあたって、農学部の先生が紐状では調理が難しいと指摘。そこで、約97%が水分のかんぴょうを乾燥させ、残った3%を粉状にして活用することにした。調べてみると、食物繊維が豊富でカリウム等の栄養価も高い。そこで、粉状にした「かんぴょうパウダー」を、地元でよく食べられているうどんに練り込んだ商品『かんぴょううどん』の開発に着手した。

そして同時に、“世の中が必要としていないモノは売れない”。この信念から、消費者を対象に、「いくらで売ればいいのか」「いくらで作ればいいのか」「どのくらいの量を望まれているか」について、徹底的に市場調査を行った。

そのうえで、商品展開プロモーションを検討。どんな良い商品でも食べてもらわないと分からないことから、手にとってもらえるようなデザイン、ブランディングを開発。さらには、商品ができても地元で提供されていなければ、消費者は良いものか疑問に思うため、地元飲食店はもちろん市外飲食店を含めて巻き込んでいった。

指導員は能力ではなく、熱意・やる気が大切

市場調査の結果、ターゲットを「健康志向の富裕層の女性」に定め、売価を500円以上で設定した。そうしたところ、珍しい商品ということでマスコミにも取り上げられて一大ブームに。また、販売戦略が良かったことから、しっかりと利益も取れている。

こうしたノウハウを活かして、現在は新たに桑畑を守り育てる「桑のミクスプロジェクト」で桑の葉を使ったクッキーの商品化を始めている。

最後に大関氏は、指導員は能力ではなく、熱意・やる気が大切だと指摘する。商品開発では、商品知識や生産ノウハウなど、どこに持ち込めば商品化できるかという前捌きが重要となる。だが、商工会議所であれば人的資源やネットワークがあるので、決して難しいことはない。

「できない理由は沢山ある。でも、できないことをクリアすれば必ずできる。担当やキーパーソンがあきらめないことが大事だ」と大関氏は話した。